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&303

 ホワイトホールは色んな事を出力するのかもしれない。それこそここは宇宙なんだ。私は自身の未来を知るために前に進む。勿論、この場所で見られる未来が信用できるなんてわからない。

 でもある程度の未来の形……を知ることで、これからの対策もできる可能性はある。なにせ今の宇宙はとても不安定だ。未来を観てくれる神もいるが、あの神と私は接点ない。

 だからここで未来を知れるのはいいことだ。でもこの宇宙に広がっていく自分の背中……その数だけ未来があるというのなら……


「え? ちょっとまって……」


 変化が起きる。何が起きたかというと、進むたびに私の背中は増えてたわけだけど、それと同時に私が消えていくのだ。前に一歩……また一歩と進むたびに過去の私は増えてそして未来の私は消えていく。でもまだ残ってる背中はある。私はそっちの方に進む。するとまた増えていくけど……やっぱりすぐにきえていく。一体なにが起きてるのか……これが何を訴えてるのか……なんとなくわかる。


「きっといい未来じゃないのね」


 そういうことだろう。でもそれでも『先』――はある。『未来』はある。だから背中はみえてる。私はその方向に進んでいく。すると無数に増えていた『私』もどんどんと減っていく。それこそ最初は、背中が見えるようになったときはまだ数えるのも不可能な程の未来があった。

 でも進むたびにその数は減っていき、今やもうぱっと見で数えれるほどの数の背中しかみえない。そして更に私は気づく。


「何かいる?」


 この私の未来の先……そこには暗い何か……宇宙よりも暗い漆黒がある。私は遂に自身の背中に並んでしまった。私の両隣には私がいる。でも……そんな自分自身もきえていく。まで煙のように、上半身から吹かれたようにきえた。いや……本当に吹かれてる。


 そう、前から生暖かい風がふいてる。


(いったい何がいるの?)


 消えてしまった私の背中。そして……それから前に背中は現れない。どうやら私の『未来』はここで終わったらしい。でも……本当の私はここにいる。だからあるはずのない風を起こす何か……それを知るたびに私は前に進む。


 ほどなくして、その漆黒の正体を私はしる。いや、予想はしてた。私は神だ。その神の未来の全てを奪えるような存在はそうそういないだろう。そう目の前の始祖の龍なんてのはその最たる存在だろう。

 まさかいきなり始祖の龍と対峙することになるとは……もちろん、本物ではないけど……でも私の未来にこれが確実にいるのだろう。

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