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「そうだね。種明かししよっか? けどその前に……一つ約束してほしい」


 そういったラーゼちゃんは神茶を唇から離して、ペロッとした。そしてカップを置いてこっちをみる。一体何を約束させようというのか……今の状況を鑑みて考えてみるが……あまり思い浮かばない。


(今はズラララバライト様もヴァラヴァレレイドもいないし、私に用心棒になってほしいとか? でも上位の私の力をやすやす防げる力があるのならいらないか……)


 ラーゼちゃんは既にその強さを見せてる。私の庇護下に入りたいのなら、弱い姿のままでよかった。そっちの方が入り込みやすいだろう。ならばなにか……ラーゼちゃんは他の2神と違って、積極的に辺境の宇宙を取りに行ってるわけでもない。むしろ我関せず……のスタイルだ。ならば私に頼みたいこともなさそうだけど。


(既に力も過剰なのはないし……うん?)


 そうだ。なんで今の今までその違和感に気づかなかった? ラーゼちゃんの過剰にあふれた力、エネルギーが辺境の宇宙の紛争の火種だ。そしてそれはラーゼちゃんが魂の階位を上げるかしないと、解決しない問題だった。魂の階位を上げる……それはつまり、更に上の神になる……という事だ。ではラーゼちゃんは中位の神になってるのか? というと……はっきり言って今の彼女は以前のまま、いや力の量だけで見るなら、寧ろそれは減ってる。

 もしも中位の神へと至ってるのなら、力は増えてそれでより安定をしてるはず。今のラーゼちゃんはただ減ってるだけじゃなく安定もしてるように見える。一体聖杯はどうしたのか? どうやって処理したの? 途方もないエネルギーを生成し続ける聖杯の受け皿なんて早々ない筈。それに……


(今感じてるラーゼちゃんの力じゃ、私の攻撃から身を守れた事への説明が出来ない)


 私は胸に手を置く。自身の体に確かにある異常な力。食いつぶすことも、飲み込むこともできない。それならば吐きだしたいけど、それも無理。これは明らかにこの力が私の中にとどまろうとしてる。そしてそれは目の前のラーゼちゃんの意思だ。彼女は私が観測しえない力を持ってる。そんな彼女が私に何を望むの? 今の情報ではわからない。


「ふふ、そんなに警戒しないでいいよ。難しい事じゃないからね。まあ拒否されたら、私たちの関係も終わりかもしれないけど……」


 コロコロと楽しそうにラーゼちゃんはしゃべってる。彼女は楽しそうだけど、私は別に楽しくない。なにせ私は彼女に勝てるビジョンが今の所見えない。だから……


「約束は一つ。それは私を何よりも優先してってこと。ゼーファスじゃなく、私の側にアーミュラはつくの。どう?」


 自信たっぷりにラーゼちゃんはそれを言い切った。


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