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&289

「何したの? それに……」

「「それに、何? 私があんたの力にビビってないのが不服?」


 別に不服ってわけじゃない。まあちょっと驚いてるけど。だってちょっと前まではラーゼちゃんは私をお姉さんのように慕ってた。力だって経験だってこっちが上で、それをラーゼちゃんだってわかってて慕ってたじゃん。

 それなのに、さっきのを簡単に……私は思わずって感じだったから、そこそこ力を暴発させてしまったよ。そのせいでこの星の気候やらにまで影響を及ぼしてしまったのだ。神が怒れば星が怒る……それはよく言われてること。

 そして事実だ。私達のような途方もないエネルギーを内包してる存在の力は、ちょっとでも漏れ出たら、それだけで色んな所に影響が出てしまう。だから厳しく自信を律しないといけないのだ。


 今のはだから私はちょっとダメだった。反省しないといけない。けどだからこそ、指向性もなく放たれた私の力は確実にラーゼちゃんをも巻き込んでおかしくないというか……巻き込んでないとおかしいといった方が正しい。でも……周囲はかなり一瞬でボロボロになったが、テーブルに乗ってる茶器にお菓子とかは全く影響を受けてない。


「ラーゼちゃん強くなったんだね。わかるよね? 私、上位になったんだよ」

「おめでとう」


 淡々とそういうラーゼちゃん。いやいや、そうじゃないでしょう。私が感じる限り、ラーゼちゃんの力は変わってない。いや、寧ろ減ってるまである。なんで減ってるの? だってラーゼちゃんは聖杯を持ってるはずだ。あれは聞いたところによると無限のエネルギーを湧き出すやばい代物。

 そのせいで彼女は常に身に余るエネルギーを内包してた筈。それは下位の神には過ぎたるエネルギーだった。けど今のラーゼちゃんにはそんなの感じない。


 へってる……けどだとしたら余計におかしい。だって私は上位の神……そしてラーゼちゃんは下位の神。その力の差は歴然だ。なのに……こんな涼し気にできる訳は本来はない。


「何をしたの?」

「行ったでしょ? アーミュラにプレゼント。私はアーミュラの敵になるつもりはないの」


 小さくフォークで切り分けたケーキを口に運ぶ。黒いチョコレートが彼女の口に運ばれていく。


「プレゼントって今のは……とっても不快だったわよ?」


 こうなったら直接言うしかなと思った。プレゼントにしては趣味悪いわよってね。


「そうだろうね。けど、ちゃんと探ってみて。今の力がなんでそんなに不愉快だったのか。それにまだ残ってるでしょ? 上位になった凄いアーミュラなら、私が残した力だってちょっとは使えるでしょ?」


 私を試してるの? けど確かに体内を探ると、今の驚いた力の残滓がある。私の力にのまれてない? 何これ? はっきり言ってとても気持ち悪い。けどこれだけはわかる。これは……


(これは今まで私が知ってるラーゼちゃんの力じゃない)



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