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&277

「パートナー……ですか?」


 一体何のこと? と私は首をかしげる。周囲には誰も居ないが……何かが揺れたような感覚。覗かれてる? ここは私の領域だぞ? そんな事できるわけが……


「気にする必要はない。悪いとは思うが、儂があけておいたのだ」


 なんて勝手な事を……ゼーファス様じゃなかったら叩き潰しておくところだった。いや、実際この人でもやりたいが……上位へと上がった私でもきっとこの人には勝てないだろう。

 だからやらないだけだ。なにせ私は上位へとなりたての神で、この人は上位の神へとなって長い老獪……やり合うにしても、何の準備もなしにそれをなすなんて愚かなことはできない。

 けどわざわざこの会話を見せるようにするなんて……後でその訳はしっかりと聞かせてもらおう。それよりも……だ。それよりも重要なことはさっきのゼーファス様の言葉。


(私を、始祖のパートナーに? それって一体……)


 私が疑問の目を向けてると、徐ろにゼーファス様は立ち上がる。そして、椅子から離れて、私ともテーブルともわずかに距離をとる。目上のゼーファス様が立ち上がったのだ。私もそうしようとしたが、それは手で制される。そして今度はその場に膝をつく。私はこの段階でギョッ――とした。だってぜーファス様は全ての神の頂点といっていい。

 上位になって、神のうちの数%の内に入った私だが、それでもゼーファス様には並んでなんてない。その神のトップが今……私を見上げてる。けどそれで終わらなかった。更に体を丸めて、両手を床について、額までも床につけそうな……そんな丸い態勢になってしまった。


「この通り……この役目はお主にしかできぬことなのだ」

「ちょっ!? ゼーファス様、おやめください。そんな……頭を下げるだけでも恐れ多いのに……そんな態勢なんて……」


 まるで全ての許しをこうかのような態勢だ。あの威厳たっぷりなゼーファス様が私に跪いて頭まで床に擦り付けてる。しかも……これを何処かの神がみてるんでしょ? まずいなんて物じゃない。


「とりあえず頭を上げて立ち上がってください」

「いや、これでも足りぬ。それだけのことなのだ。わかるであろう。儂はそなたに、始祖の龍のパートナーになってほしいと言っておる。それは……ある意味でこの宇宙の全ての敵になれ――と言ってるようなものなのだ。作戦ではあるが、そしらぬ神からいらぬ嫌がらせ、攻撃諸々をうけるだろう。

 辛い役目じゃ……」

「それは……絶対に必要なんですか?」


 私はゼーファス様に顔を上げてもらうことは諦めてとりあえず話を進めることにした。確かに神にはパートナーがいる。宇宙を共に守る、成長させるパートナーである竜やら龍だ。

 私にだっている。それを始祖にしろ……ということなんだろう。でもそんな事が? できるの? それにゼーファス様がいうようにデメリットがでかすぎる気がする。私に対してのメリットはなんなんだろうか? 針の筵になるのなら、この宇宙を救えても意味なんて……

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