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「さて、やろうかゼル」
『うむ』
新たな宇宙を手に入れた。それに神の魂もこれだけある。私の周囲には煩い魂たちが集まってる。それこそ百でも数え切れないくらいの魂だ。これらは全て私が集めてきた神達だ。戦いの中で屈した魂たち……と言いたいが、流石にこれら全てを戦いで屈服させたわけじゃない。
私の礎になりたいといってくれた神たちもいる。神とはエネルギー体だ。そしてその中心……いやそれを受け入れるのは魂だ。肉体は捨てても、神には自身を定義する魂が必要。でも魂には予め容量が決まってる。
宇宙で私は陣を展開する。それは宇宙にそびえるように展開していき……ある意味一つの城のような、複雑な術式が完成する。
「皆、私の力へ」
中心にいる私に向かって、複雑な術式を通って向かってくる。そこにはおとなしい魂もあれば、「このおおおおお! やめろおおおおおおおおおおおおおおお!」とか言ってる魂もある。でももう遅い。この術式に刻まれて、あなた達の自我は消え去る。
そして私の糧になる。目を閉じて私はそれを受け入れる。大量の魂が私へと入ってくる。最後の言葉だけは私は聞く。なにせどんな感情を持ってたとしても、彼らは全て私の為にその身を捧げてくれたのだ。
この神たちはいなくなる。けど、それを私は覚えておくのだ。そうやって、彼らの魂は私の中へ……
「うっ」
体が熱い。いや、体ではなく、私の魂が熱いんだろう。容量過多の魂を取り入れた。けど、ここからだ。本当なら受け入れる事が不可能な程のエネルギー。今の私では無理な量。でも、これは特殊な術式だ。私の魂の階位を上げる儀式といっていい。
大量の神の魂を生贄に、私は自身の魂の階位を上げる。
「あぁあ……あああああああああああああ!!」
自身の魂の殻が敗れる感覚。光り、抑え込めなくなって、私の体が霧散する。でも、すぐに再び集まりだす。そして新たな……そう……上位へと到達した新たなアーミュラ神がここに、降臨する。
『成功したか?』
「わかるでしょう?」
『そうだな。確かに今のお前は上位へと至っておる』
ゼルラグドールからもお墨付きをもらった。私自身、今までとは違うように宇宙が見える気がする。気持ちいい。全能感が今は私を満たしてた。




