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「あの神はどうなったの? てか神って死ぬの?」
素朴な疑問を口にしてみた。だって神ってエネルギーの集合体みたいな? そんなのじゃん。魂の輪廻に戻る……とかあるんだろうか? それともそうじゃなく、上下関係とか契約とか結んでる神なら、その上の方の神の所に戻るとか? その神の意向次第では復活出来たり……
「神だって死ぬときは死ぬよ。でも確かに……契約か……そこんところどうなの?」
そういってラーゼはズラララバライト様に話を振る。こいつもそこまで神の生態に詳しいかというと、そうじゃないしね。そもそもが現宇宙の創成期から生きてきて、神さえも作り出した古龍であるズラララバライト様の方が詳しいのは当然だ。
『あれには確かに契約した神がいたようだな。その神は中位でも上の方か、それか上位の神かもしれぬ。そいつらが手を出すのなら、存在を復活させることは可能だ。
どういう契約をしてるかまではわからないがな……だがあの程度の神であの言動……そこまで重要視されてるとも思えんな』
「つまり?」
『あれが復活されることは低そうだ。神も意外と死ぬときは死ぬ。だから気にしないのではないか? 一つの神の死に敏感になってる場合でもないだろう。なにせ辺境で死んでるのだ。
ある程度上の方の神が裏にいたのなら、その目はきっと辺境よりも今は中央に向いてるはずだ』
「いつ爆発するかわかんないもんね」
『それもあるが、中央付近ではヴァラヴァレレイドが暴れておるしな。それに神同士の戦いも既に始まっておる』
そんな風に見てきたように言ってくるズラララバライト様。彼はこの新生宇宙にいるし、出ることも今やできない。更にいうと全盛期よりも弱体化もしてる。
なのになぜにこんなに詳しいのか。まあ定期的にヴァラヴァレレイド様から報告は受けてるだろうけど。でもヴァラヴァレレイド様は彼は彼で忙しそうだ。なにせ大量の神を彼は一手で相手をしてる。最近はカサノヴァ神が他の神龍改の奴らを引っ張ってきてるとか。つまりは同僚とかそんなのだろう。
それと戦う……実際どのくらいの交流があったのかとかわかんないけど、ヴァラヴァレレイド様は今一番働いてるといってもいい。だからこそ、自身の事で精いっぱいで自分が相手をしてる周囲以外はわからないでしょう。
でもやけに現宇宙の事に詳しいズラララバライト様。
「さて、次の一手を打ちましょう。思わずウサギっ子がとても使えるようになったしね」
気持ち悪い(私目線)で笑うラーゼ。私は絶対に神としてこいつから離れる事を誓うよ。それも自分だけじゃない。私の大切な人達……その人達と共に、理想郷をつくるのだ。
神になった私なら、それがきっとできる。




