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「あっ、ああぁぁぁぁあぁあああああ!!」
ズラララバライトが出したドラゴンハートを取り込んだウサギっこ。するとなんという事でしょう、苦しみだした。ちょっとどういう事よ!? パワーアップアイテムじゃないのか? 私はキッとズラララバライトを睨む。
けどそんな私の視線をズラララバライトはスルーしてる。私は偉いんだぞ!? 言い訳くらいしやがれ。そんな事を思ってると宇宙に落ちだすウサギっこ。
このままじゃどこまでも落ちる事になってしまう。だから私は落ちだしたウサギっこの座標を操作して、次の瞬間私の上にウサギっこを現した。
そしてそのまま私が彼女をお姫抱っこをする。なんでこんなことがさらっとできるのか? と思うだろう。だって私はこの新生宇宙の始祖ですから。
この宇宙の事はなんでも思い通りにできるのだ。この場所ではまさに、私がルールだ!! を出来るのである。まあそもそも宇宙未満の様な場所だから、威張れないけどね。
私の腕に納まったウサギっこ。私よりも身長あるから、おさまり的には悪いかもしれない。けど、女の子同士でお姫様抱っこというのも悪くないだろう。
「気を失ってるじゃん」
神が気を失うなんてそうそうないことだ。それが起きるということは、それなりの何か……が起きてるわけで……そんな事を思ってると私の腕に何かが伝わってくる。
その何かは……ウサギっこの深部から伝わってくるような――ドクン! ――という音。それが私の腕から、そして体全体にまで揺らすほどに伝わってくる。はっきり言って、神に心音……なんてものはない。
だって神の体はエネルギー体だからだ。エネルギーで構成された体は有機体のように細胞一つ一つで構成されてる訳じゃなく、全ては力で構成されてる。
だからドクン……なんてそんな心音。まあウサギっこはまだ神になったばかりだから、その体が完全にエネルギー体に置き換わってはないというのはある。
でもだからってこんな低音マシマシみたいな音がするなんておかしいだろう。まるで私の体まで揺れそうだ。そこまでの心音……これってきっとドラゴンハートのせい?
「ねえ、これ大丈夫なの?」
『我の魂半分と、彼女の魂が戦ってるのだ』
戦ってる? まあ流石に、ズラララバライト程の龍の魂だ。考えたらそんな簡単に手に入る……とはならないとは思う。魂同士で戦ってるから、ウサギっこは気絶してるのか?
でもそれって、もしも勝てなかったらどうなるの? 私はそれが不安になった。




