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「新生宇宙……なんだっけ? 確かに見つけにくかったけど……」
「そうそう、見つけにくかったんだよね? どうやってここを見つけたの?」
「それはあんたとの……」
なんか顔をそむけてムニャムニャとするうさぎっ子。はっきりしないね。私の? 何? 私はじっとうさぎっ子を見つめる。
「だから! あんたとの繋がり、あんたのその気持ち悪い感情やらなんやら、私に向ける全てを駆使して追ったのよ! そしたら来れた。それだけ」
「それって……私たちの愛がここへの扉を開いたって事?」
「違うわよ!? 私達じゃないく、あんただけね!! 私は嫌いだから!!」
私は感動してるからそんなうさぎっ子の声は聞こえてない。だって……だって、そうじゃん。うさぎっ子の言葉の通りなら、わたしたちの愛がなし得た奇跡……それ以外には理解できない。恥ずかしがることなんて無いのにね?
「またまたー」
「なんなのその反応……」
『だが、お前たちの絆が理由だとするなら、他の奴らが使うことはできなさそうだな。一回出ても、また戻ってこれるのか?』
ふざけてる私とは違って、どうやらズラララバライトはちゃんと考えてるらしい。確かにメリットはたくさんだね。だってわたしたちの『愛』がなし得た奇跡なら、他の有象無象の存在が同じようになことをできるわけはない。
だってそこに『愛』がないからだ。それなら安心できる。そこらの神がかってに私の宇宙にやってきて住み着き始めたりしたら戦慄ものだ。家賃もらうぞっていうね。てか考えたら、ある意味で始祖の龍が暴れるのってそれかもしれない。
だって今の……成長した現宇宙を造ったのは始祖の龍なわけだ。確かに発展させて来たのは龍やら神々だろう。でも、全ての始まりは始祖の龍なわけで、それがなかったら龍も神もいないと考えると、始祖の龍が行うことはある意味で取り立て……と言われる行為ではないのか?
龍も神も宇宙を借りてた……と考えれば、その家賃を払うのは当然。ある意味で始祖の龍は当然の利益を得ようとしてる……と考えることもできる。まあそれによって潰える命の多さを考えると、それが正しいとは流石にね……言えないけど。でもそれがもしかしたらあの始祖の龍の生態なのかもしれない。
めっちゃ厄介だけど……人間だって家畜をまるまるに太らせて出荷させるじゃん? それとある意味で何が違うのか……というね。
「はい、どうですか?」
『初回とは違ったか?』
「そうですね。もう私の中で道はできてるので」
『ラーゼ、貴様は許可してないだろう?』
「え? ああうん」
私が始祖の龍のことを考えてる間に、どうやらうさぎっ子はもう一回ここからでて、戻ってきたらしい。私が新生宇宙に入る許可を出す前にもう一回やってたから、私は素直に頷く。
『うむ、それなら……』
そんなことを言って、なにやらズラララバライトが苦しみだした。え? なにやってるの?




