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 ごくり……と私はつばを飲み込む。実際うさぎっ子が私を恨んでるのはわかってるからね。そもそもわたしたちは戦い合ってたわけだし? 言うなれば敵同士だったわけだ。私はずっとうさぎっ子を敵……だなんて思ったことはない。けどうさぎっ子はずっと私を敵視してきた。

 そして彼らが負けた原因だって私なわけで、向こうからしたら恨む理由は十二分にあるといっていい。今まではいくら恨みを募らせようがそれを実行できるだけの力がうさぎっ子にはなかった。

 けど……今やうさぎっ子も神である。私とは力や経験の差がある……と言っても、眷属と神の関係性のように明確な上下関係はもう私達にはない。私がうさぎっ子を縛る……ということができなくなった。今なら、実際反旗を翻す事はできる。

 私はうさぎっ子を観るよ。まっすぐにね。いやすがるように……かもしれない。嫌われてるのは勿論わかってる。それでも私はうさぎっ子をそばに置いてきた。それは一重に愛ゆえに……である。確かに私が殺されるとしたらそれはうさぎっ子がいい。

 うさぎっ子の胸の中で死ねるなら本望……とも言えるが、実際は死にたくなんてないよね。

 神の魂はどうなるんだろうか? ちゃんと輪廻に戻るの? そこら辺よくわからない。神にまでなったら、普通の魂みたいに輪廻に戻る……というのはできない気がする。

 だって既に私達神は輪廻から逸脱してるんだから。


「ラーゼ」

「は,はい!」


 名前を呼ばれたから、私は背筋を伸ばす。なにか最後の言葉的な、手向けでもくれるのかな?


「あんたはこうなること、考えなかったの?」

「それは……あのときはこれが一番だって思ったから……」

「はあ……」


 なんか呆れられた。だってだってあのときはそれしかなかったでしょ? ドラグだけでは厳しかったし、あのまま泥沼の戦いをするくらいなら、手札を強化するのは当たり前では? それにそれができたしね。私は死んだことになってるし、下手に現宇宙に戻ることはできない。ズラララバライトはもう完全に新生宇宙の生物として誕生してるせいで現宇宙に行くことはできないだろう。

 私がどっちも行き来出るのは、どっちの力も内包してるから……だからね。ズラララバライトはこっちの宇宙に転生したみたいなものだ。だから向こうの宇宙に行ったらきっと生命活動ができないだろう。ある程度は大丈夫かもしれないけどね。なにせ龍は頑丈だ。

 けど以前の十分の一の力もないズラララバライトなんて約にも立たないだろう。


「今は……今はまだ協力してあげる。けどねラーゼ。私はあんたが嫌いよ。言いなりになるつもりもないし、今までの仕打ちだってわすれないから」

「今までの仕打ち?」


 はて? である。けどそしたらうさぎっ子が真っ赤になっていってきた。


「恥ずかしい格好させたり、変な言葉言わせたりよ! 私をさんざん弄んだでしょ!?」


 確かに「大好きだにゃん」とか「もえもえきゅーん」とか色々と言ってもらったりはしてたね。それに可愛い服に際どい服。いろんな服を私はうさぎっ子にも着せたりしてた。それに拒否権はなかった。だってうさぎっ子は私の眷属だったからだ。

 それに、いやいやながらも羞恥に顔を赤らめるうさぎっ子が可愛いんだから仕方ない。あのうさぎっ子は正直宇宙一可愛かったよ。

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