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「なんで……うさぎっ子?」
「ふふ、驚いてるようね。あんたのその表情、傑作だわ」
なんかとても悪女のような顔をしてるうさぎっ子。そもそも私にはあんまりその顔をパアアア! と輝かせるような顔は見せてくれない。いつだってどこかひねくれた表情だもんね。
今だってそうだ。幼さを残すその顔を無理に歪めて、嫌な顔を作ってる。私に対して、馬鹿にしてるように……そんな顔よりも、うさぎっ子には素直に笑う顔の方が似合うのにね。
「私のために?」
「違うわ!! なんであんたの為なのよ!!」
私の言葉に思わずさっきまでの表情を崩して素直な怒りの表情を出して言ってくる。嫌味から怒りへ……まだこっちのほうがいいんだよね。それに、あまりいヤな表情をしてると、筋肉が凝り固まってその表情が固定されるかもしれない。だから筋肉の運動のためにも色々な表情をさせる必要がある。
まあ神の肉体はそもそもが本当の肉体ではない。今のうさぎっ子はそれに気づいてないかもしれないが、だから凝り固まるなんてのは基本的にはない。
「けど、そうじゃなかったら……ここに来れる理由がないじゃん。愛ゆえに……でしょ」
私は逆にうさぎっ子をギューとする。そしてやられたようにうさぎっ子の大きなケモミミにスリスリする。
「やめなさい!」
「あれ?」
いきなりスカッと私の体からうさぎっ子の体温が消えた。そしてちょっとだけ離れた所に現れてる。
『随分使いこなしてるな』
「ズラララバライト様……本当に復活してたんですね」
『おかげさまでな』
「でもかなり弱体化してますね。前のような圧力がなくなってます」
『それは仕方ないな。この未熟な宇宙では我の力を完璧に取り戻すなんてことは不可能だ』
「確かに……何もないですもんね」
宇宙かと思ってきてみれば無だった。だからなんかちょっと拍子抜けみたいな? そんなこと言わないでようさぎっ子。この新生宇宙には可能性が在るんだからね!!
『だがまさか、自力で全く別の宇宙に来るとは……その才能、恐ろしいな』
「お褒めに預かり光栄です」
『それで、ここにきた目的は復讐のためか? 力を得て、ラーゼを殺すか?』
ストレートにズラララバライトはうさぎっ子にそういうよ。




