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うさぎっ子はきっと今、最高にハイだと思うんだ。神になり、そして自身よりも上の神を倒してしまった。全能感に拍車がかかってるだろう。そんな今のうさぎっ子は私にこのまま反旗を翻すことも実は結構考えられる。このままさようなら……とかね。
本当なら今すぐに私の所に飛び込んできて、殺しにきたりしたいかもしれない。けど私が今いるのは新生宇宙である。そしてうさぎっ子がいるのは現宇宙。宇宙が違う。
なので来ることはできない。ならばこのまま「さようなら」といってチャンスを待つかも? でもハイの状態にそれを選択するか? というのがあるね。
「ラーゼ、こいつの狙いはなんだったのかわかる?」
『え?』
なんかやけに理性的だね。ハイになってるから「キャッハー!」という感じでは? とおもってたんだけど……いや、うさぎっ子はハイの状態でもやけに優雅だったね。そういうところが……好き。
「聞いてる?」
『はい!』
私はビクッとした。なんか声が怖いよお……えっと狙いだっけ? うーんそんなの必要? すでにサバ折り神の狙いは潰えてるんだけど? 多分だけどね。
『きっとあいつの後ろにはさらなる神が居たんじゃない? そいつに命令されたのか、それともあいつが手柄を立てたくてその宇宙を狙ったのかはしらないけどね』
「そう、じゃあそいつはわかる?」
『え?』
そいつってやつはサバ折り神の上司的な神ってことだよね? うーん流石にそれはわからないね。
『わからないわ』
「ちっ」
ちょっと!? 今、舌打ちしたよね? めっちゃ舌打ちしたよね!? てかそこまでわかるわけ無いじゃん。私はそんなに交友関係広くもないし、あのサバ折り神がどこ陣営に所属してるかとか、知らないもん!! それがわかってれば、上のやつがどいつかとかわかったかもしれない。上位の神ならアーミュラに聞けば……ね。わかったかも?
けどだからってそこまでする? はっきり言って流石に上位の神とか挑んでも勝てないと思う。サバ折り神は下位か中位でも下の方だと思うからなんとかなったんだと思う。
けど言葉でいっても今のうさぎっ子は納得しないかもしれない。だっでハイだからね。今のうさぎっ子には全能感がある。だからなんだってできるように思えてるんだろう。
無茶なことを言ってると思ってないんだろう。
『落ち着いてうさぎっ子。確かに神になったけど、全能ってわけじゃないんだからね』
「――こして」
『え? なんて?』
きこえづらいなんて声を発してるわけでもないのにありえない。なのに聞こえづらかった。すると今度ははっきりと聞こえた。
「力をもっとよこして。聖杯を直接つなげてもいいわ」
『でも、それは……』
「して」
『はい』
うう……私はうさぎっ子には弱いのだ。愛してるからね。だから結局私は聖杯を直接つなげてうさぎっ子に無限のエネルギーの供給できるようにしてあげた。




