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(今のウサギっこにこっちの宇宙の力をちょっと混ぜたらどうなるんだろう?)
私はそんな好奇心を抑えることができなかった。私は今、二つの宇宙の力を内包してる。大体は新生宇宙の方の力になってるが、現宇宙の力もまだ残してる。
なにせそれは私とこの現宇宙のつながりだと思ってる。どういうこと? と思うかもしれないが、最悪、私はもう新生宇宙だけに引きこもっていることだってできるのである。
けど私はまだ現宇宙の神でもあるのだ。でも、もしもこの体内の力を全て新生宇宙のそれに変えてしまったら……そうなると現宇宙とかのつながりが切れてしまう可能性がある。
それにだ……それに二つの力を内包してるってハイブリットで格好いい。保険にもなるしね。それに根本的にまだ現宇宙を切ることなんてできない。色々とまだ私の新生宇宙には足りないのが多いし、私の大切なものは現宇宙にある。
でもいつかは全部、新生宇宙に移すつもりだ。だからこそ、これも実験的なつもりだった。もちろんちょっとだけだよ? ちょーーーーーとだけ新生宇宙側の力を混ぜてみた。
すると……だ。
「あっ……がっはっ……ヒュっ――あっ……」
そんな風にいきなり苦しみだすウサギっこ。流石にこれは私もやばいとすぐに理解した。どうやら全く違う宇宙の力というのはそれだけ全然違うみたい。拒絶反応みたいなの出てる。
けどウサギっこにはまだちょっとは親和性があると思ってた。だってウサギっこは私の力を受けいれて……いや、強制的に入れて私の眷属へと昇華させたのだ。そして新生宇宙だって私の力であることは変わりない。
だからそこらの生命体よりも私の力に対しての親和性があると思ってた。だからもしかしたら超絶強化ができるかも? とか期待してたんだけど……
「あんたの力……最高に不愉快ね」
そんな事を言われてしまった。涙目だけど、キッとにらんできて口元をぬぐいながらそんな風にいうウサギっこ……とりあえず頭の中にその表情を保存しておいた。
『ごめんごめん。そっちの宇宙の力だけにするからね』
私はそういって今度はちゃんと遊び心を封印してウサギっこに力を渡す。眷属だけど神に昇格できる程の力を私はウサギっこに注ぎ込むよ。なにせエネルギーだけは外に流すほど大量にあるからね。
するとウサギっこがなんか光りだした。




