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「うぬぬぬ、なかなか頑丈なようだな……」
アンモナイトみたいに折りたたまれた体をしてる神……そいつがそんなことをいったから私はちょっとドキンとした。なにせバレた? と思ったからだ。
「だがこれならどうだ?」
次にやってきたのはあの神の周囲がなんか青くキラキラしだした。けどどうやら私の存在には気づいてないみたい。まあ向こうは私が死んだってことで攻めて来てるんだろうしね。それにかなり上の方の神、カサノヴァ神とヴァラヴァレレイドがやりあってることから、死んだことは事実……と受け取ってるだろう。
「でもあれは……」
どうやらあの神、私の宇宙に自身の領域を広げようとしてる。まあ神同士の戦いなら、領域を展開して自身のフィールドを押し付けあうものだからね。けどドラグは神じゃない。それにウサギっ子だってそうだ。
まあけどドラグは竜だ。そこら辺関係なんて……
「うん?」
『この愚者が! 私と主の宇宙を汚すな!!』
なんかそんな声が聞こえた。そして機械竜みたいな見た目になってるドラグはその尻尾を切り離した。まるで大根を切るかの如く、輪切りになったドラグの尻尾。それが神の方へと向かっていく。
「そんな……もの」
まるで問題ないかのような神。けどその余裕もすぐに崩れることになった。なにせそのドラグの尻尾……だったものは別に神に直接は向かわなかった。その周囲……広がる神の領域に突っ込んでいく。すると……だ。
「なに!? 我の領域を食い荒らすか!!」
そうなのだ。どうやらドラグの尻尾は領域に作用できるみたい。構築されていく神の領域を尻尾が通った所はまるで破られたみたいになった。
「脆弱な力だな」
「この、なぜにこの宇宙にこだわる? 貴様も竜なら、こんな場所さっさと食らいつくせばよいだろう?」
なにそれ? まさか竜って神が何らかの理由でしんだら、その宇宙を食いつくすのか? そんなのは初耳である。やっぱり竜って野蛮だな。勝手に押しかけて用心棒面をするだけでは飽き足らず、主人かいなくなったら、それを全て食べ尽くしていくんなんて傲慢にもほどがあるだろう。
けどうちのドラグはそんなことはしない。実際、そんな事を言われてドラグは怒ってる。
「ふざけた事を!! そんな事をするはずがない!!」
ドラグは動き出す。大きく翼を広げて槌をよけつつ、神へと迫った。




