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(見えてるだけで神の数は131、見えない奴もいるだろうし、200くらいはいるかもね。ここまでやってくるとか……神だけとは思えない。一番の候補はローレン神と契約してる龍か……それかあれだけの神と契約してる龍やら竜が来るかも……そうなると厄介ね)
私はそんなことを思いつつ、なんとか生き延びてた。流石にこれだけの数がいると厄介というほかない。こんな風によってたかって一人の女神を殺そうとするとか……そこに信念があるのか? と言いたい。まあきっと彼らは言うだろう。
「この宇宙の為だ!!」
とかね。私は彼らにとっては巨悪のようだからね。確かに私はゼーファスとは折り合いがわるかった。けど争ってた訳じゃない。ただの方向性の違いだ。神は基本自主性が重んじられるんだし、ゼーファスだって私に強制はしてなかった。
まあ向こうが強く出ないのをいいことに、好き放題やってたか? と言われたら「ハイ」としかいいようがない。それに……だ。それに……
(あの爺、かわいいメスに弱いからね)
そこである。ちょろっとしなだれかかったり、胸をちらりと見せるだけでデレデレとするんだから、それは私のせいじゃなくない? 仮にも……というか、実質ゼーファスは神の頂点な訳だよ。それは誰もが認めてる。
そんな奴が簡単にデレデレするのが悪いよね? だって頂点なんだよ? 神の頂点だ。それならもっときっちりとして睨みを効かせてくれないとだろう。
あんなスケベ爺じゃ、舐め腐ってもしょうがないじゃん。それで私が悪いって……おかしい。あの頂点の自覚がない爺をまずは責めるべきだ。でもきっと奴らは――
「ゼーファス様の手を煩わせるべきじゃない」
――とかいう、勘違いを起こしてるんだろう。だから自分の頭で物を考えない奴らは嫌いなのよ。複数の神が一斉に力をむけてくる。降りやまない槍の雨に、噴き出してくる地獄の業火。空間を割くようにして現れる奴らの攻撃は避けるなんてのは不可能。神の攻撃に逃げ場はない。でも私はやり過ごしてる。
神、200名分の空間の支配。確かに強力だ。けど……
「ねえ、貴方こっち観て」
私は見つけた神にそういって近づく。ちょっとだけ触れる指先。そしてその体をわずかに這わせて、近い距離で見つめあう。
(同調)
私は一つの欠片を手に入れる。




