&222
「全く、頭硬いんだから……」
私はそういいながら無くなった腕を戻し、ぼろぼろの服を再構築する。流石にひらひらとした服は動きにくい。だからもっと戦闘用の服を再構築した。ぴっちりとした白い服は胸元と腰回りに巻き付くようにまとわりついた。
それに髪も普段は長いが、戦闘の時は邪魔だから短くします。なにせ私は神。そこらへん自由自在です。けど私も全女神が憧れる神です。流石に戦闘だからって実践だけを考えてダサい格好ができるか? といえばできない。
なにせ私は憧れだから。私は女神のトレンドを作る存在です。なので頭には綺麗なティアラをつけました。目立たないようなピアスもします。見る人が見たらおしゃれ。勿論戦闘を邪魔することはない。大胆に見せてるおへそにもきらりと光りピアスがあります。
足元は低いヒールです。やっぱり戦闘だからって綺麗に脚を見せることを妥協してはいけません。寧ろ露出が多くなってる分、脚は更に重要。大丈夫、足元で固定する感じのヒールじゃなく、ちゃんとクルクルと脚に巻き付いてしっかりと固定されてるから、激しく動いても大丈夫です。
「ふう~、よし」
ちょっと面倒だな……って思ってたけど、火がついてきた。
「この数に勝てると思ってるのか!!」
一人の男神がそんな事をいって無防備に私に拳を向けてきました。浅黒い肌に、パンパンに膨れた筋肉が特徴的な奴だった。一回の拳がまるで何回もぶつかってくるような……そんな衝撃が私を中心に走りました。私の後方がバッキバキに砕ける。
でも私にはノーダメージ。
「なに!?」
「一人で突っ込むなといっただろう! イセノ神は同調の天才だ……いや鬼才だぞ!!」
やっぱりローレン神はわかってますね。いくら自分が強いとわかってても、しっかりと見極めてます。確かに私は同調なら及ぶものがいない。それは認めましょう。けど、ローレン神も戦いという分野ではどの神よりも強い。
いや、それはただの力――ということじゃないです。彼は戦闘面でのセンス、そのことに関する天才です。及ぶ神はいないでしょう。だかこそ、あいつは勝負勘というのも異常です。
絶対に危ない時にはこないし、チャンスとなれば怒涛の勢いで攻めてくる。だからこっちはそれをローレン神に感じさせないことが大切。でも、いつまでもそれでしのげるものではないのは確か。だって私はそんなに戦闘が得意ではない。
なにせ私、女神ですから。




