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「こほん……それで、私はどう動くべきだと思う? てかズラララバライトが死んだって……まああいつサボり魔だったけど。ルドルヴルヴって古龍はどんなやつなの?」
私は透明度の高い水を生み出して、その水球に腰を下ろした。そして自身の膝の上にメルトを抱く。その状態でメルトの頭に顎をおいて話してる。
「ルドルヴルヴ、は、うるさい」
「うるさいか……あんたが嫌いなタイプって事ね」
その言葉にメルトはコクリとうなづいた。この見た目と話し方通りにメルトはとても静かな龍だ。私とはこうやって話してるが……そもそもこうやって話すまでもとても長い時間を要した。
それこそ千年とか万年とかこいつは必要じゃなかったら喋らない奴だし。まあおかげで、メルトから情報が洩れる……なんて事は全くないから安心感がある。
好みのショタが安全安心……こんな幸せなことはないだろう。なにせこうやって目いっぱい愛でれるのだ。私のこんな姿、周囲には絶対に見せない。こんな蕩けた姿はね。
「けど、ルドルヴルヴの封印が解けたということは、もう古龍たちが抑え続けるのは――」
「不可能」
私の言葉をメルトが引き継ぐ。けどやっぱりそうだよね。今までだって古龍たちはその力の大半を使って始祖の龍の復活を抑え込んできてた。けどその根本にはルドルヴルヴという古龍の犠牲があったのは、上位の神のさらに一部には知らされてることだ。
大半の神はこの宇宙の真実も、そしてルドルヴルヴなんて古龍も知らないだろうけど……私は上から数えた方が早い神だ。奏上三位……まあ三位なんてのはちょっと「ん?」と思うが、でもそこはまあいい。
そんな事は重要じゃないからね。周囲が勝手に言う順位に意味なんてない。なにせ私たちは一位二位とかと戦った訳じゃないし。私の宇宙は『楽園』と称されるほどだ。
その多様性は全ての宇宙でも一という誇りがある。でもその宇宙も今、危機なんだよね。
「やっぱり一刻も早く宇宙……私だけの本当の宇宙を作らないといけないわね。その為には……あといくつか古龍か、それに準ずる力が欲しいわね」
「兄弟、暇」
「確かに、古龍たちもルドルヴルヴの封印が無くなったのなら、もう抑え続けるのも無意味と思って別の行動に移ろうとするかもね。ならねらい目……か」
メルトの提案はもっともだ。今なら、古龍をさらに取り込むチャンスともいえる。そいつらを贄に、前々から考えてた『宇宙創造』を成しえよう。最悪、この宇宙を生贄にしたとしても全然いい。




