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「今なんていったの?」
私は静かに怒りを籠めてルドルヴルヴにそういった。だって……ね。今言ったことはそういう事? そういうことだよね? この宇宙……私の新生宇宙を犠牲にしろっていってない?
『まて、悪いことではない』
「悪いことではない? 私の宇宙を犠牲にすることが?」
メラメラと私は怒りをにじませてるよ。まあ実際はそんなに怒ってるわけじゃない。だって私はそこらの情緒不安定な女のようにメンヘラじゃないからだ。私はもっと大人で、そして聡明。気品も併せ持つ宇宙一の美少女だ。
なので簡単に怒りはしない。いつだって『余裕』というなの大人の態度を取ることが出来る女だ。なのでこれはブラフといっていい。いや、牽制と言ってもいい。
だってあまりにおとなしい感じにしてると、こいつは御しやすい都合のいい女とおもわれるかもしれない。余裕がある女と都合のいい女は雲泥の差があるのだ。私はそんな誰かにとって都合のいい女――になるきはない。
なので牽制も含めて怒ってますアピールをしてる。思い通りになると思うなよ――ということだ。けどどうやらルドルヴルヴはどうじてない。
『我々は母を倒さねばならない。いや、追い出す他無い』
何やら悲しげにそんなことを言い出したルドルヴルヴ。そんな感情を持ってるのはもうお前だけだぞ――といいたくなった。古龍の他の奴らも、母である始祖の龍には苦労してるからね。
皆厄介払いしたいと思ってるぞ。でもどうやらルドルヴルヴは封印されてたわけで、その感情はかつてのままなんだろう。まあかつて――と言っても、そのかつてでも始祖の龍は褒められたような事してなかったと思うけどね。
いや私は又聞きしかしてないけどさ、実際そうでしょ。始祖の龍がやったことで褒められることって現宇宙を創造したことだけだ。まあ現宇宙には沢山の命が育まれてるから、実際それだけでどんな悪事も帳消しにできそうではある。
実際のところ現宇宙をあそこまで育てのは古龍達だとかはおいておいても、そもそもが始祖の龍が宇宙を造らないと何も始まらなかったんだからね。そう考えると始祖の龍の罪はその一点だけで帳消しにできる。
けど今度始祖の龍が解き放たれたら、全てを破壊して無にしてしまう。そうなったらとたんにマイナスである。褒められる部分なくなる。
『悲しいことだがな……我らは母に愛を教える事はできなかった』
なにやらルドルヴルヴがきもいこと言い出した。何だ愛って?




