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「いやいや、なにかあるんでしょ? だからこそ、ぜーファスも動き出してるし、古龍たちだって限界を感じ始めてたわけだから、対抗策を用意してるはずでしょ? 新たな封印方法とか、完全に始祖の龍を滅する方法とかさ」
なにせめっちゃ時間はあったはずだ。だってこの宇宙がこれだけ成長してきた時間……彼らは始祖の龍を封印し続けてきたんだからさ。その間に何もしなかったわけはないでしょう。そんなんだったら、流石に古龍たちが間抜けすぎる。
いや、職務怠慢だ。だって始祖の龍の封印が解けて、何も対応策がなかったら、現宇宙は始祖の龍によって破壊し尽くされる事が確定してるんだからさ……その対応策は用意して置かないといけないだろう。
『勿論、様々な方法を考えたさ。当たり前だろう』
当然だとばかりにズラララバライトはそういった。ほらちゃんとあるじゃん。なら顔をそらす必要なくない?
『だが確実な方法など一つもない。それに忘れるな。あれは封印されてる今なお、その力を高めてる。宇宙のエネルギーはあれに集まってるのだ』
なるほど……確かにね。封印されてる間、ただただその現状が維持されるだけ……じゃないんだった。今もなお、始祖の龍の力は高まってる。それも……宇宙が成長するに従って……なんだからね。
皮肉なものだ。だって宇宙を始祖の龍が壊さずに成長し続けた結果、更に始祖の龍は強くなれてる。そして古龍達は始祖の龍を封印したわけだけど、それでも宇宙が成長することは始祖の龍を成長させる事につながってる。
やっぱりどうあっても、宇宙を生み出した始祖という存在。そのつながりを切ることはできないってことなのかもしれない。
『あの宇宙の存在に、始祖である母を殺すことはできない。それが他の兄妹達の結論だと思うぞ』
そんな風にルドルヴルヴがいってくる。私はズラララバライトに向かって今のを伝えてみた。するとコクリとうなづく。
『だが諦めてはない。策がないわけでもない。だが全ては未知数だ』
つまりは古龍達の策に確実性はない……ということだろう。だからあんまり話したくなかったと……いや、それってさ……
「かなり確率低いとズラララバライトは思ってるってことじゃない?」
そういうことでしょ。自信満々なら言えると思うんだよ。私達はもう運命共同体というか? そもそも現宇宙の母と子どもの関係性に私達はなってるんだからさ。
今更、隠し事したってね……
『そこでお前だ。新たな始祖よ。全く別の宇宙の始祖よ。お前だけは我らが母の、我らが宇宙の理の外にいる存在だ』
まあ、なんとなく話の流れでそんなことを言われるんじゃないかってのは思ってた。なにせ私は鍵と言えるだけの存在の美少女だからね。




