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ズラララバライトは私の新生宇宙へと転生をしたと言って良い。それは実際、他の……それこそ現宇宙をどうにかしようとしてる者たちからしたら、そっちを捨てて、全く別の宇宙へと逃げていった奴……と捉えられておかしくない。
まあ行動だけ観たら全く間違ってないしね。それに最後にルドルヴルヴの封印を解いたのも、嫌がらせと捉えられてもおかしない。だってルドルヴルヴの封印は直接的に始祖の封印とも密接につながってた。
そうズラララバライトから聞いてる。つまりはもろくなってた始祖の封印……そして宇宙の中心のエネルギーの抑え込みの限界がより早まった……ということだ。それは間違いない。
そしてそれは要するに向こうの……現宇宙の終わりが更に近づいたことにほかならない。当然、向こうの生命体にとっては傍迷惑でしかないのだ。でも現状を色々と既に理解してそうなこのルドルヴルヴは別に文句を行ってこない。
実は一番文句を言って良い立場にいると思うんだけどね。
「それで何用ですか? てかなんで私の事をしってるんです?」
『何もおかしいことはない。始祖の力を我が感じれないなんどないのだ!』
うわーなんでこの人……いやこの龍こんなに勢いあるの? 圧がすごいよ圧が。暑苦しい。私の苦手なタイプかも知れない。てかなんで始祖の力を感じれるのよ。そんなわけないとか言われても、私はそんな力が古龍にあるなんて聞いたこと無いけど? 今度は私がジトッとした目でズラララバライトを観た。すると「なんだ?」というふうにズラララバライトがこっちをみてくる。けどいちいち事細かく説明してる余裕はない。
「でもここは宇宙が違うわ。私を追ってくるなんてできないはず」
『確かに我にはまったく違う宇宙を超えるなんてことはできない。だが、宇宙に魂の片鱗を割り込ませるくらいは出来る。ちょうど道もあったしな』
「道?」
なんの事? と私は思う。するとルドルヴルヴは「ガッハッハ」と豪快に笑ってネタバラシをしてくる。
『ズラララバライトの魂を引き抜いただろう? こちらの宇宙の因果からな。その時のルートを辿らせてもらった』
「なっ!? そんな事が……」
まさか出来るなんて思ってなかった。てかそんなのまでこいつ感じ取れるのか。確かにズラララバライトは元は現宇宙の方で生まれた魂だから、その因果は現宇宙にある。それを引っ剥がして私の新生宇宙へと持ってきたわけだ。つまりはそのルートを使われたのか……そんな事が起こるなんて思ってなかったよ。
なんなのこいつ? まじでなんなのって感じだ。




