&182
真っ白に染まる視界の向こうで複雑な……それこそ宇宙一つ構築できるような……そんな力が複雑に絡み合ってるのを儂は感じた。古龍である儂らはほぼ互角といっていい。
戦えば、どちらも無事ではすまない。だが、負けるわけにもいかないだろう。ならば殺す覚悟で自身の最大級の技をぶつけるしかない。
そんなことはわかりきってることだ。
『次元結界……さあ、ここでなら存分に暴れてもらって構わないですよ。そしてここに囚われた以上、ズラララバライト貴方が私に勝つことは不可能です」
フラグ? というのか? そんなふうな事をメルラララバミュラバラバはいってる。確かに視界が晴れて現れたそこは8つの円環が重なり合ってる宇宙とも言えない場所。
結界というからには儂を閉じ込める場所なのだろう。それにそこらの神がやった結界ではない。同じ古龍であるメルラララバミュラバラバの妙技だ。それを自信満々に同じ古龍に使ったとあれば、それはそうとう自信がある代物ということだ。
(簡単には破れないということか)
そういうことになる。ここてあっさりと簡単に壊せる結界なんて出してくるようなやつでは無いことは儂がよく知っている。それにただここに捕らえただけで儂の勝利はもう不可能……とまで言わしめておる。
それは一体どういうことか……試して見ないとわかることではないか。
『甘く見るなよ』
『それは貴方ですよ。確かに古龍の中でも貴方は強い方でしょう。そして私はそこまで戦闘向きではない。ですが、私は誰よりも……そう誰よりも古龍の殺し方を考えて来ました』
そんな風な爆弾発言をするメルラララバミュラバラバ。ずっと考えてきた? それは一体居つからだ? いつかこういう日が来ると……いや実際こういう日が来るのは古龍の誰もが考えてただろう。
だがそれを回避しようと一番してたのもメルラララバミュラバラバだと思ってたが……調和と平和を重んじてるのがこいつだからな。だがこんなやつでも、実は儂らを殺す術をずっと練っておったと……
『くくく、はははははははははははははは!!』
『気でも狂いましたか? ズラララバライト』
『いや、そうではない。そうではないぞ。ただ嬉しいのよ。確かに、儂らもまだ進化してる。なにせ幾億年……それ以上に過ごしてきた相手の心根を察せる事もできぬのだからな』
そういいつつ更に笑う儂。それを不思議そうにしてるメルラララバミュラバラバ。以前の儂ではこんな風に笑い転げる……なんてなかったからの。
『互いに、信じる道を進んでおる。そうであろうメルラララバミュラバラバ』
『ええ、そのとおりです』
『ならば遠慮なんていらぬな!!』
儂は本気を出すことにした。




