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「さて、これで大丈夫かな?」
私は新生宇宙にこもってたわけだけど、一つ問題があった。なにせ新生宇宙はまだまだよくわかってない。作ったのは私だけど、実際まだ宇宙……とも呼べるしろものではない。
ただ括り的には全く別の場所……ということだ。この成熟した宇宙とは違う……全く別の宇宙……になりえるからこそ新生の宇宙なのだ。で……そんな新生宇宙の始祖である私は色々と元の宇宙に縛られてたいろいろがなくなってる。
それはズラララバライトやらヴァラヴァレレイドと魂の回廊をつなげることができなくなってることからもわかるように、メリットもデメリットもあることだ。きっと私自身が全く別の存在に昇華したのか……それとも新たな宇宙がルールが重複するのを拒否してるからなのか……それはわかんないけど、私はどうやら元の宇宙の異物的な? そんな感じになってる気がする。
だから私は今でも確かに元の宇宙で【下位の神】をやってるわけだけど、実はそのポジションも危ういというか? 私の中にはいま、新生宇宙の力と、元の宇宙に対応した力……が内包してる。それは実際ハイブリッド感があってよい。
なんか2つの力を内包してるってさ……格好いいじゃん。とても私の中二心をくすぐる。だからそこに不満なんてないが……実際この2つは共生してるわけじゃない。無理矢理とどめてるってのが私はわかってる。
だって体内でバチバチ喧嘩してるからね。最近あんまり調子よくないのは実際それが原因だ。2つの力を内包してるってのは字面だけは格好いい。でもうまく共生できないとこんなにつらいとはね。
いや、実際我慢できないってほどではない。それほどならこんな敵だらけの場所になんていけないしね。ただ、吐き気がしたり、体が重かったり、節々がちょっと傷んだり……頭痛がしたりである。
でも慢性的にそうなると……ね。そもそもか神なんてのは常に快調なのが基本だし? 病気なんてのとは神になれば無縁みたいなものだ。なので久々に病気的な感覚を味わうと結構くるというかね。
けどそこはあまり問題ではない。そこじゃなく、私はまだまだ新生宇宙をいのままにできてないってことだ。私はとっさに新生宇宙に入ることでカサノヴァ神の攻撃を避けた。
カサノヴァ神達は新生宇宙のことなんかしらないから、この宇宙から完全に私という存在の気配が消えたことでちゃんと滅したと思っただろう。それはいい。思ってたとおりだし?
問題は出口を自由にこっちの宇宙にできないってことだ。今のわたしは入った場所にしか出ることはできなかった。だからずっと待ってた。私が再び出ることができる時を……ね。
そしてそれがようやくきた。ヴァラヴァレレイドがペチュラの宇宙を破壊してくれたからだ。どうやらヴァラヴァレレイドはペチュラの奴らをこの宇宙から追い出してくれた。今なら出ても大丈夫だろう。
「よっと」
『待ってたぞラーゼ』
「ただいまヴァラヴァレレイド」
私は待ち構えてたヴァラヴァレレイドにちょっとお出かけにいってたくらいに気軽に挨拶した。




