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&168

「宇宙は大きく動き出したようじゃな」


 そんな風に言うのはゼーファスという神である。彼はこの宇宙の中で一番長く生きてる神だ。古龍はそれよりももっと長く生きてるが、神の中では彼が最古といっていい。

 そんな彼は自身の宇宙を散歩するように歩いてる。真っ白な髪に、豊満なヒゲ……そして汚れを一切許さない純白の衣装。そんな姿のゼーファスはこの暗い宇宙では異質なほど神々しい光を放ってる。それに……彼が足をおいた場所はその輝きを残してた。彼の軌跡は暗い宇宙に光を落としてる。


『やはりあの神……ラーゼでしたか?』


 ゼーファスの傍に宇宙の闇から突如として白い龍が姿を表した。首が長く、ほっそりとしたフォルム。そしていつくものいびつな翼が伸びてるキレイな龍だ。


『すべてのきっかけはあの神……これもズラララバライトの策略?』

「どうですかな? 確かにズラララバライト様も何かを狙ってたのは確か。ですが、彼女は色々と彼の想定を超えてたようですよ」


 そう言って「フォッフォッフォッ!」と笑うゼーファス。そんなゼーファスにその白い龍……いや白い古龍は半信半疑だ。


『ただの神……それも半人前の神でしょう?』

「儂もそう思っておりましたがね。ですが、会ってみるとなかなか楽しい神でした。いや、命……とでも言えましょう」

『鈍ってない魂の色をしてたと?』

「眩しいくらいでしたな。あれは神になりきれてないからだったのかもしれぬ」

『神は命の転生の果て。神以上の輝きの命など、我々龍以上にはありえないでしょう』

「ですが、ズラララバライト様だけではなく、彼女にはヴァラヴァレレイドもついた。きっとその命の輝きに惹かれたのでしょう」

『あの子はまだ幼い。物珍しに目がくらんだのでしょう』

「ヴァラヴァレレイドは古龍にも匹敵する力を持ってますぞ」

『それでも、私から見たら皆が赤子ですよ』

『それでどうする? ヴァラヴァレレイドが暴れてる。かなりの数の神が減るでしょう。宇宙も不安定になる。その刺激がきっかけで始祖に影響がないとも言えない』

「わかっております。まだまだこちら側の神は育っておりませぬ。それにヴァラヴァレレイドが暴れてるのは奴らの宇宙……」

『都合がいいですか』

「そうですな。でもこんな自殺的な行動……抜かりなく見ておく必要がありそうですな」

『……それは私が引き受けよう。そのラーゼとかいう神も気になりますし』

「彼女は死んだのでは?」

『本当にそう思ってて?』


 そんな会話を二人はかわしていた。

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