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&166

「懺悔を口にするのなら、今のうちだよ!!」


 そういうカサノヴァ神はとてつもなくその力を高めてる。てかあいつが動いたらはっきり言って終わりだ。今は他の神が攻めてきてるのをなんとかかんとか捌いてる感じ。いや……


「きゃあ!」


 視界がえぐれた。私の全身はボロボロであるなにせ今私を襲ってる奴らは大体私よりも上の神だ。今でも、私がなんとか生きてるのは、多分こいつら、カサノヴァに忖度してるからだ。最後はカサノヴァに譲る……と言う精神がある。

 まさかここまで顔色をうかがう神がいるなんて……ね。だって神って大体は唯我独尊だと思ってた。そういう風にも聞いてたし? けど、こいつらはどうやら多大に組織的になってるみたいだ。カサノヴァを頂点に、その下の神達はカサノヴァにまるで絶対忠誠を誓ってるのか? ってくらいである。それだけカサノヴァが凄いのか? よくわかんない。

 けど彼らがカサノヴァに忖度してくれてるおかげでまだ私は生きてる。だって、本当ならこれだけの神に一斉に攻められたら、私はすぐに負けてる。私はきちんと自分の実力はわかってるつもりだ。確かに私には聖杯がある。そのおかげで力の容量だけはそこらの下位の神よりはあるだろう。けど……それでもこれだけの神に攻められたら流石にどうしようもなかった。

 ゴリゴリと私の力は減っていく。一回攻撃を防ぐだけでもつらい。なんとか逃げる術を考えて色々とやってはみた。囮とかなんとか数人をまとめて攻撃をしてみたりね。

 なにせ向こうは二十人くらいはいる。それに対してこっちは一人である。ちまちまと一人ずつ相手をしても切りがなかった。まあ何人かにはダメージを通せたけど、それでも倒せはしなかった。

 その隙にさらにこっちは攻撃を食らって、どんどんと力が削られていく。私は足を引きずって腕が変な方向に向いてた。髪もボサボサになってる。せっかくの美少女がこれでは形無しだ。


 そしてそれに満足そうにカサノヴァが笑ってる。


「あはははははは! もうあんたは美しくない! いい姿よ!! あんたにお似合い! 私の美にあんたは負けたのよ!!」


 そういいつつカサノヴァは大きく足をあげた。この場所を貫くように高く掲げた脚。そのせいで見たくないものが見えるが、どうやらカサノヴァはそれを気にしてないみたい。恥じらいがないね。

 神たちが一斉に攻撃をやめて散っていく。カサノヴァに最後の一撃を明け渡してるんだろう。これがきっと最後の一撃。それだけの圧倒的な力がこもったハンマーを奴は振り下ろす気だ。

 私はもう動くことはない。ただ、手を組んで祈る態勢になった。


「命乞いかい!? もう、遅いよ!!」


 違う。そんなの今更するわけない。こいつが私を生かしておくわけないのはわかってるからね。こいつは私の美を恐れてる。だからこそ絶対に私を逃がすわけない。私は最後の力を振り絞って血色をよくして、汚れてる自身を綺麗にした。まあ傷までは治せなかったけど、けど大丈夫。だって、ボロボロでも私は――綺麗だと知ってる。

 振り下ろされる神の槌。けど私は美しい美少女の姿を最後にカサノヴァに見せてやった。これが美少女の矜持って奴だよ。

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