&148
「むむむ……」
私は困っていた。なぜなら戦線を拡大したくらいで、なんか招待状みたいな? そんなのが届いたからだ。神の眷属によって届けられたそれはどうやら正式なそれみたいで、これを断るともう完全に仲違い状態になるとかなんとか……
まあ別にその神の事をしってるわけじゃないから、ゼロだった関係性がマイナスになるだけである。そこまで困ることはない。それにもしかしたらだよ? 私を一目見たらズッキューンと恋に落ちマイナスに振るはずだった好感度が一気に恋に変わる……ということも無きにしも非ず。
まあ、流石に神だし……色々と精神攻撃的な物には対策もしてると思うけどね。いや、私の容姿は攻撃では別にないんだけど……見方によってはそう捉えられることもあるのだ。
だってゼーファスの奴を落としたのは私のこの容姿である。実際あの好色爺は私に落ちてるのか、あれが演技なのかはよくわからない。まあけど私の事を優遇はしてるからね。
ゼーファスは神の頂点である。そんな相手が私に甘々なのはこの容姿のおかげだ。だから私の容姿は上位の神へも通用すると証明されてる……といってもいい。
だから可能性がないわけじゃないよね。
「でもなぁ……なんか碌なことにならなさそう」
「それはお嬢様の日ごろの行いのせいでは?」
「ううーウサギっ子酷いよ! 慰めて!」
私はそういってお茶をもってきたウサギっ子に抱き着いた。そしてその平べったいお腹に顔を押し付けてスーハースーハーとする。ちらっとウサギっ子を見ると、なんかゴミを見るような目をされておる。
そんな目をされたらゾクゾクしちゃうよ。それにウサギっ子のにおいを目いっぱい吸うのは私のリラックスに必要な事だなんだよ。ウサギっこの耳や尻尾をほんとうならずっとモフモフしたいくらいなんだよ?
それをウサギっ子が嫌がるからある程度で我慢してるのだ。
「邪魔ですお嬢様」
「ううー塩対応!」
「宇宙があるんですから、変な動きしないでください」
私を心配してる様なその言葉。まあけど本当に私の事を心配してるわけじゃない。そういう子だからねウサギっ子は。完璧な私の味方じゃないってのがみそだよね。
でも美少女の嫌そうな顔でしか得られない栄養がある!! と私は提唱してるから。
「それで、招待はどうするのですか?」
「まあ、行かないわけにはいかないよね。妊婦に移動を強要させるなんてひどい奴らだよ全く」
本当はこの姿を見せたくないんだけどね。いや、そもそも会ったこともない神である。こういう体形ってことで突き通せるかもしれない。でもそれはそれで……ちょっと癪というか? ただのデブとか思われたら私のプライドがズタズタになる。




