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&137

さて、私は今別の宇宙で精密検査を受けている。それこそ病院みたいな所でうっすい肌着を着てベッドに横たわって大仰な機械の中に挿入される……とかじゃない。そんな文明なんてのはここはとうに過ぎてるのだ。

 だから私はかわいい水着に身を包んで球体上の水の中にはいってた。この水が実は全て特殊な分子であって、複雑な術式を組み込んだ超微粒な受け皿になってるらしい。

 だからこの水のような液体が触れると色々なことがわかるらしい。本当ならこんなので丸裸にされるとか、警戒するべきなんだろう。だってここは別の宇宙であって、つまりはここには別の神がいるのだ。そいつは私達の味方なのか? というと別にそんな事もない。


 そもそも会ったのも一回きりだし、ここの神は宇宙の運営さえもここで受け入れた命たちに任せるくらいのニート野郎だ。いろんな宇宙からハブられたり疎まれたりした魂。それら特殊な魂の受け皿を進んで引き受けてるこの宇宙の神は、さぞ大層な奴なんだろう……とか思えるがそんな事は全然ない。ただの引きニートだから。

 まあだからこそ、私はこの宇宙で好き勝手に出来てるわけだけど。好き勝手といっても、勝手に星を作ったり、破壊したりは勿論してない。ただここに集った特殊な魂たち……彼らと友誼を深めてるだけだ。


 まあけど本当なら別の宇宙に神が気軽にいくって事はそうそうないらしい。ちょっと友達の家に行ってくる感覚で私は行ってるが、それは異常だという事だ。けど私たちは友達だからね。そして神から文句もいわれたことはない。むしろここの神よりも私の方が既にこの人たちと親交してるまである。


 なので私は何の憂いもなく普通に水着になってその水を受け入れた。でも――


(むむ……これは……)


 ――とか実はちょっと思った。だって私は今マタニティである。妊婦なのだ。なのでお腹が出てる。それももう結構な周期だろうという位には出てる。実際妊娠の経験なんてないし、そこまで妊婦の姿を覚えてるわけでもないが、キララの奴が妊婦の時期は知ってる。

 それでいうと、今の私のお腹はそれこそ妊娠六か月以上は経ってそうである。なので水着を一瞬だけどためらってしまったのだ。いつもの私なら完璧な自分のプロポーションに自信しかないからそこで躊躇う……なんてことはあり得なかった。でも着替えるときに自分のお腹を見て止まった。


(これ、大丈夫?)


 ってね。もちろんこうなってても、私の美しさは健在だ。でもお腹は出てる。それが自分で直視するとかなりの違和感というか? 私はこの姿にも美しさを見出すことが出来る。でも他人はわかんないじゃん。


 私は普段から2000%美しい。けどもしかしたらこの状態の私を1000%の美しさと思っちゃう人もいるかもしれないじゃん。それがなんか……ね。怖いと思ってしまった。


 でも女は度胸だ! なので私はビキニの水着を着て、堂々と彼らの前に出た。その反応は……


「ほう……」

「おお!」

「これはまた……」」

「……ゴク」


 ――という満足のいくものだったから私は上機嫌で水の中にいる。

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