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「なにをやったと言われても……触れただけだよ? 別に力とか込めてないから」
『本当にそれだけ……か?』
私は訝しむズラララバライトに真剣な表情でうなづいた。だってその通りだし? いったいなんでそれだけのダメージを受けるのかわかんないよ。
『やはりそうか……今度はそうだな、貴様は何も考えずに我らの魂に触れたのだろう?』
「むむ……それはそうだけど……」
なんかその言い方だと私が頭空っぽにしてあんたたちに触れたみたいじゃない? いやそうだけど……そもそもズラララバライトもヴァラヴァレレイドもめっちゃ強いって意識があるからね。
私程度が触れた程度で……という意識は確かにある。だから何もかんがえずに触れた。
『ちゃんとこちらの力を意識して触れてみろ』
「わかった」
なんかそう言われたから、今度はちゃんとこっちの力。今までの私の力を意識して二人の魂を感じる。
(あれ?)
私はそう思った。そして体の芯から震えが溢れてくる。だめだ……進めない。触れられないよ。
『やはりか……』
そんな風にズラララバライトはいう。私はこの状態では魂に触れられないって事を正直に伝えた。
『それはそうだ。なにせ我らとは魂の階位が違いすぎる』
そうあっけらかんとズラララバライトはいう。わかってたんかい! いや待ってよ。ならさっきはなんで?
「さっきは普通に触られよ?」
『それがそもそも異常なのだ。魂の階位が違う存在には自然と畏怖が生まれる。だから魂への干渉は下から上へはおきえない。そもそもが魂という重要な物をなにもせずに晒してるとおもうか?』
なるほど……確かにそれはそのとおりだと思う。なにせ神なんてほぼ魂だけといってもいい。それに簡単に触れられないようにはしてないよね。でもそれならますます最初が謎だ。
だって当然の如く、ズラララバライトもヴァラヴァレレイドも魂は保護してるだろう。それこそ何重にも。でも、最初に触れた時はそんなの全くなかったよ? 寧ろそこらの石ころを拾うかのごとく……だったと思う。
『あのときのお前はこの宇宙では存在してなかった。そういうことなんだろう』
「え? 存在してない? いや、いるよ?」
何言い出したの? ちゃんと見てたじゃん。とうとうボケたか? とか思った。けどそういうことじゃないらしい。
『貴様の宇宙。それが原因だ。全く新たな宇宙が生まれて、お前はそこの始祖だ。もうこの宇宙の法則、ルールの外にいるんだろう。それはきっと魂さえも……』
なるほど。どうやら私はまさしく唯一無二……そういう存在になったということだろう。




