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大絶叫を上げた二人の龍。それからなんか二人ともとてもふらふらとしてしまった。一体何が? ヴァラヴァレレイドはいつもどっしりと二本足を立てて胸を張ってるのに、今や片膝をついてるし、
ズラララバライトもその大きな姿を丸めて、見るからにわかるほどになんかゼーハーゼーハーしてる。息切れなんて……おじいちゃんか? いや、実際ズラララバライトは古龍だし、おじいちゃんだろう。けどだからって老いてるって感じではなかったと思うけど……いつだってどっしりと構えてたけど、そこに老いは感じなかった。
でも今はどうだ? なんか二人ともとても疲れてる。まるでフルマラソンを走った時のように……いや、フルマラソン程度では二人ともつかれるわけはないが、比喩である。人にとってはそれだけやった後みたいだねってね。
「大丈夫?」
私はとりあえずそんな風にいってみる。だって、明らかに二人は私の性でこうなってる。罪深い女でごめん。魂の回廊……それを再びつなげるために、こっちから接触したら……この通り。でも誓って言いたい。
私は別になにもしてないと。いやほんと。ただ、その魂にちょっと触れただけだ。まあけどよく考えたら初めてだったよね。だっていつだって……それこそゼルラグドールの時から、魂の回廊をつなげるその時はいつだって龍達側からだった。
まあゼルが龍か竜かはしらないが……そもそもどっちにしてもあの頃の私には強大な存在なのに変わりはない。でもそっか……ズラララバライト達はもしかしたら自分達から魂の回廊を繋げる事はあっても、他者から魂に触れられるってことは今までなかった可能性は高い。
なにせ二人とも強力な龍だ。そもそもこれまでで魂の回廊を繋げたことがあるのかも不明だし……魂とはそんなに簡単に晒していいものじゃないからね。
それに私はぶしつけに触れた。だからもしかしたら龍という存在は魂に敏感で思わず拒絶反応とか出ちゃったのかもしれない。自分達からやるのは当たり前だからいいけど、他者からいきなり魂を触れられるってびっくりしてもおかしくはないからね。
『何をした?』
『ああ、何をやったんですか?』
ズラララバライトとヴァラヴァレレイド二人同時に、そんな風にいってきた。ええーと、それってどういう意味だろうか? 私はかわいく小首をかしげる。なんかやらかしたらしい。けど大丈夫、私の宇宙一の可愛さなら、大体この仕草でなんでも許されるから。




