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「これじゃあ、生み出すよりも消失するエネルギーの方が多いよぉ~」
単純にエネルギーを生み出すことは出来たけどこれをやってればとりあえずこの場所が消滅することはない……なんてそんな都合のいいことはないらしい。
これをやっててもその内生み出すエネルギーよりもなくなるエネルギーが多いから詰んでしまう。どうにかしてお手軽にエネルギーを大量に生み出せないと安心なんてできないよ。実際ここは宇宙まで一歩手前まできてると思うんだ。けど……そのあと一歩……それがわかんない。下地は出来てるんだろうけど……
「ビッグバンによってこの場所に衝撃というなのエネルギーを満たさないとだめなのかな?」
リスクは大きい。それにただエネルギーをぶつけるだけでもきっとだめだ。今できる最大限のエネルギーを二種類に分けて、それを極限状態まで圧縮して、それを維持したままぶつけるとかしないと……それだけやっても実際、それが正解なのかはわかんない。
たって宇宙の創造に同じような道はないようだからね。てかビックバンもそれで言うと違う宇宙の創造の道であって、私のこの宇宙には別に当てはまらない。
むしろなんでも出来るからこそ、何をしたらいいのかわかんないっていうね。それだけのエネルギーはある。沢山ためせる。でも……なんでもできるからって片っ端から試してたらこの場所は持たない。
それもまた事実。
(もっと何か……なにか……)
私は落ち着くために大きく息をすって吐く。その時意識するのは空気を吸い込むことじゃなく、この場に満ちるエネルギーを吸い込んでは吐くってことだ。なにせ宇宙の前進であるこの場所に空気何てものはない。
「すううううう」
「はあああああ」
エネルギーをいっぱい吸って、体に満ちさせてそのまま吐き出す。それなら別に増減なんて意識しないでいい……いいけど……うん?
「あれ? なんか増えてない?」
いや違う。増えてるというか……生まれてる? 私の吐いたエネルギーがなんかキラキラとしてる。別にアニメのゲロ表現ではない。本当に私の吐いたエネルギーがキラキラとしてるのである。
まあ私程の美少女が吐いたらこれだけキラキラとしてもおかしくはない。だって私は宇宙一の美少女なんだからね。けどそういうことじゃない。
さっきも私はエネルギーをうみだした。意識してそれをやった。その時は逆にこの場のエネルギーは減ってた。私が意識的に生み出してもその量は微々たるものだった。
けどこれはどう? なんか……私の口から吐き出されるエネルギーというか力? は明らかに生まれてる。どういうことか言うと、私が吐き出す光が途中で分裂? してるのかなんなのかしてる。だからこそ「生まれてる」――なのだ。
でもこれってどういうことなのかわかんない。私はさっきだってエネルギーを生み出そうと意識してやったんだよ? それなのにこの違いはなに? 私はもう一回手からキラキラとしたエネルギーを放出する。相変わらず出の悪い蛇口のようだ。
けどいっぱい吸って吐いたら、どんどんとキラキラは生み出されて周囲に拡散されていく。全く持って違う……よくわかんないけど、これは使える……と思った。
 




