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『それで宇宙を創生するためのエネルギーはどうする気だ? 聖杯でそれが賄えるのか?』
ズラララバライトがそんなことを質問してくる。まあけどそれは的確な質問である。新たな宇宙を創る……それには途方もないエネルギーが必要なのはその通りだからね。
けどあまりにも大きなエネルギーなら感知されてしまう。大きなものほど隠すのか大変なのは実体がないエネルギーだって同じだ。それに敏感な奴らも多いだろうしね。
神とかはエネルギー体だからこそ、大きなエネルギーは感じやすいだろうしね。まあけど全く違うエネルギー……力となるとどうなのかはわかんないけど。
そもそもがそれだけのエネルギーとなるとどこから持ってくるのか……実際ズラララバライトが言うように聖杯が一番の候補になる。
それかズラララバライトとヴァラヴァレレイド……二人の龍の力を借りるかだよね。
私? 私はそこそこある方だけど、私はこれでもまだまだ力的には神の中位に足を掛けたくらいのエネルギー総量だ。私のエネルギーでは全然新たな宇宙を創る……なんてのは不可能。
いや、実際は宇宙を創るほどのエネルギーなんてのは今……今までの神も龍も誰もやってない時点で不可能。そんな認識がある。実際にやった存在がいない訳じゃないようだけど……その誰もが失敗して自身の宇宙事消滅してる。
だからこそ、宇宙の創造は禁忌ともされてる。それを決めた側の存在がズラララバライトだと思うんだけど……私がそれをやるのは許可するんだ。それかできないとおもってるとか? それはありえそう。私の力では全部使っても宇宙を創るなんて無理という認識なのかも。
でも私のバックには天才たちがいる。いや、実際私のバックにいる訳じゃないんだけどね。だって宇宙が違うし……けど仲良しだからね。リスクは当然にある。
「聖杯ももちろん使うよ。聖杯のシステムを利用するからね」
聖杯は宇宙の法則の矛盾というか、バグを利用してエネルギーを発生させてる。バグではあるが、実際にエネルギーは発生してるのだ。つまりはバグを許容するゆとりが宇宙にはある。
そしてそのバグはこの宇宙の不具合ともいえるだろう。本当はあってはならない……そんなもの。けどちゃんと聖杯は稼働してる。宇宙が聖杯を許容する隙間……そこに私は新たな宇宙を差し込むんだ。
それによって私は誰にも気づかれない宇宙を……そう自分自身だけの宇宙を手に入れる。エネルギー? それは実際そこまで重要じゃない。だって私の創る……想像する宇宙はもっとずっと小さいからね。




