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「どう? どう?」
私は二人に意見をもとめる。なぜなにうさぎっ子やドラクにそれを求めないのか? それは二人は私の事は全肯定するからである。まあ二人の肯定にはちょっとした違いがあるけどね。
ドラクの場合はそれこそまさにそのまま。言葉とおりの全肯定である。私に心酔しきってるからね。私の事が好き好き大好きNO1――だからこそなんだって賛成してくれる。
本当にその人の為を思うのなら……とかいう声だってあるだろう。それはわかる。私だって間違いは間違いと言ってくれる方がありがたくはある。けどドラクはそれでいいのだ。なぜかって? それは私が気持ちいいからである。
というのは冗談だけど……まあ実際ドラクはまだ幼いのだ。星時間でみたら既に数千、数万と経ってるが、統一宇宙時間、中央の宇宙を基準とする宇宙の時間ではまだまだ赤子も同然。
だから仕方ないのだ。まだまだ幼子で私がドラクの母親だと思えばそれは当然だろう。もっともっと成長したらきっと自分の意見も、そして見方も変わってくるだろう。それでも私を好きな事は変わらない自信はある。
でもきっともっと口うるさくなるんだろうなって感じはある。なにせ誰も彼にも私はどうやら危なっかしく見えるらしいからね。かわいいからってのも確かにあるんだろう。
だからきっとそのうちドラクも……ね。今はまだそうなってないかわいい期間だから大目に見てほしい。まあ問題はドラクがどんどんと横にも大きくなってることである。
でもこれも私のせい。だからこそ解決してイケメンになってもらわないと。
うさぎっ子が私を全肯定するのは、ドラクのような心酔じゃない。寧ろ破滅願望……と言っていいだろう。私は基本能天気だけど、鈍感な訳じゃないし、他人の心を推測するくらいする。
それでいうと、私はうさぎっ子に恨まれてる。そんなのはちゃんと自覚してるのである。だからこそ、うさぎっ子は私をどうにか破滅させたいと思ってる。それか自分を殺してほしいのか……
私とともにいる限り……私の眷属である限り、うさぎっ子は死ぬことはない。つまりはうさぎっ子の憎しみは永遠に晴れることはないし、忘れることも無いのである。
時間が解決してくれる? 宇宙時間と星の時間は全く違うからね。それこそ宇宙時間で全てを忘れるほどの年月なんて途方もない。少なくともまだうさぎっ子は忘れてなんかないってことだ。
だからこそ、うさぎっ子は私の間違った選択だって肯定するだろう。そうやって私が破滅する姿を間近で見たいと思ってるんだから。
まあだからこの二人にしか聞かないわけ。おわかり?




