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「それならもう残る施策は一つだけ。ラーゼちゃんが周囲の宇宙を全て支配下におけばいい」
「はい?」
なんかアーミュラがそんな事をいってきた。私が周囲の宇宙を全て支配下に置く? それって……
「だってそうでしょ? それで一応は丸く収まるわ。だって今闘ってるのはいきなり力が溢れてきてるから。そしてラーゼちゃんの宇宙が狭いから。ある程度の広さがあればまだなんとかなると思う」
「なるほど……」
まあ確かにそうだね。アーミュラの言うとおりだ。私の宇宙は狭い。だからこそ、さっさと私の解き放ってる力が別の宇宙へと流れてしまってる。もしも私の宇宙がもっと広く……いや、広くなくても標準位あればもっと色々なところに力を流せただろう。だってもともっと星を作れるだろうし、沢山の命が生まれれば、それを成長させるための力だって……そして輪廻させるための流れにだって神の力は必要だ。
私の力が余るのは私の宇宙が狭すぎることにも確かに起因してる。でも私は宇宙を広げることに興味なかった。だから今まではその考えはなかったわけだけど……やっぱり考えたほうがいいか。
「どう思う?」
私はそう言ってズラララバライトとヴァラヴァレレイドに話をふる。まあなんというかはだいたい分かってる。
『我はいいと思う。常々今の宇宙はお前には不釣り合いだと思ってた』
それはヴァラヴァレレイドの言葉。まあいつもいってたもんね。ヴァラヴァレレイドは私に心酔してて、私を誰よりも評価してる。なので、こんな狭い宇宙なんて相応しくないって来たときからいってた。
『儂も宇宙を広げるのは良いと思うぞ。確かにこの狭さとお前の力はあってはない。ふさわしい箱でないから、様々な所にしわ寄せがきてるのだ』
言い返せないね。まあ私が聖杯というチートを持ってなかったら、実際この広さできっとちょうどよかったんだろう。それかもっとじっくりとゆっくりと成長していけた。でも聖杯があるとそうはいかない。
ああそっか、だからアクトパラスもゼンマイも焦るかのように宇宙を広げようとしてる? やっぱりあの団子のような神の宇宙はもらってたほうがよかったか? でも今更「やっぱりちょーだい」とはいえない。
「でも今参戦したら……面倒だよね。てか二人は戦いに参加してくれるわけ?」
『それは……』
ヴァラヴァレレイドはズラララバライトをみる。するとズラララバライトは首を横に降った。
『こんな辺境の地で我らが暴れるわけにはいかぬ』
らしい。まあなんとなくわかってた。だって二人が出張るのは周囲の神や竜にとっては反則だもんね。でもそうなると面倒さが跳ね上がる。攻められた時は正当防衛を主張できるみたいだけど、攻める側になると二人の強すぎる存在は色んなところから文句をいわれるみたいだ。まあそんなの関係ねえ! でもいいんだけど……全ての神に喧嘩を売るのは……ね。流石にする気はない。




