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「それってつまりは魂の回廊が繋がってる竜を殺してきたってことなんだよね? 魂の回廊さえつながってたら、別に私が手を下さなくてもよかったりする?」
「それは……まあそうね。けどラーゼちゃんじゃ楽をしようとしても無理だと思うよ」
「なんで!?」
別に竜殺しがそんなに珍しいものでないのなら、私もやってみたい……と思った。いや、ただの興味とかじゃないよ。目的はちゃんとある。そう、魂の階位を上げることだ。
だって私の場合、つながってる二人の龍……つまりはズラララバライトとヴァラヴァレレイドだけどが強すぎて二人に引っ張らせることができない。
せっかく心強い味方を手に入れた! って思ってた。これで「勝てる!」とか思ってた。まあ勝つ必要はなくて、ただ面倒なことを追い払えたら良かった。
それ自体はちゃんと狙い通りだった。けどこれだけは思い通りにはいかなかった。私の魂の階位は挙げられないと諦めてたんだ。でもここにきてその方法が降って湧いた。いやきっとズラララバライトとヴァラヴァレレイドは知ってたはずだ。けど言ってくれなかった。
それにはきっと今アーミュラが言ったことが関わってくるんだろうね。
「それはやっぱりお二方がいるからだね」
「なんでそうなるの? なにか関係ある?」
「もしも更に他の竜とか龍と魂の回廊をつなげて、その中の一体を殺したとしましょう。けどそれじゃあ、何も起きないわ」
「え?」
どういう事? なにもおきないって……
「いったでしょ? このやり方は裏技みたいなもの。死にそうになった竜……その特性を利用してるからね」
「どういう事?」
もっと詳しく教えてほしい。
「肝は魂の回廊がつながってること。死ぬ直前まで魂はつながってる。だからこそ、その瞬間まで向こうも攻撃できるの。魂に……ね」
「それって……つまり」
最後の最後……もう相手は指一本動かせなかったとしても、実は魂で捨て身の攻撃が出来るってこと? で、もしかしたらそれで大逆転される可能性だって……ある? もしかしたら神が竜に乗っ取られる……なんてことがおきえたりする?
「魂をつなげる……それはそういうリスクだって当然にある。くらい尽くせば当然、その魂に内包された力はラーゼちゃんのものになるでしょう」
「なら問題ないよね?」
「でも魂の回廊はズラララバライト様やヴァラヴァレレイドにだってつながってる」
「もしかして、殺した竜の力はつながってる相手にも行くの?」
「そういうことだね」
拒否とかできないの? だってヴァラヴァレレイドもズラララバライトももういらないでしょ!? なら拒否してよ!!




