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「魂を引っ張っるってちゃんと説明してよ? いい塩梅でしてくれたらいいんだよ?」
私は思ってる事をちゃんという。神だとしても、私達は普段から心を読み合ったりしてるわけじゃない。むしろ大切な存在にはそういう事はし辛いものである。私が普段から心を読まれるのとか嫌がってるって分かってるからね。
不機嫌とか機嫌いいとかは二人は魂の回廊がつながってるから分かってるだろうけど、深くまではさぐってこないようにしてる。それに私だって二人の心まではわかんないしね。
ズラララバライトもヴァラヴァレレイドも二人共ちゃんと魂を守る術をしってるのだ。けど私は知らないのはずるい。私だけ常にオープンである。まあそんなに気にしてないけど……
『一度やると止める事はできない。大きい方に引っ張られるのだ。そしてそれに耐えられたらいいが、耐えられないと魂が引きちぎられる……』
「え? それって……痛い?」
なんかそこじゃないのかもしれないが、引きちぎられるとか言われると……とね。それが真っ先に浮かんだ。するとなにかヴァラヴァレレイドは言おうとしたけど、それをズラララバライトが目で制した様にみえた。
そしてズラララバライトがいうよ。
『痛いなんてものではない。魂が引っ張られるのだ。それに耐えられない神も居るほどだ。魂が裂ける痛みは、痛みと言うには弱すぎる』
……ごくり……私はそんな風に喉をならしてた。だって……そんなに脅す? ってくらいには脅してくるじゃん。痛みと言うには弱すぎるって……それはやばい。実際神なんて痛みには弱いのものだ。だって神だからね。大抵のことでは負傷なんてしないし、そもそもが神には肉体なんてものはない。その気になれば痛みなんて物はなくて、神になって痛みを忘れたやつだっているんじゃないだろうか?
そんな神に痛みをもたらす……それを聴いただけで怖気づく神だっていそうだ。魂の階位を上げるためにそんな危険があるのなら、やらない神だっているだろうね。それで私は最も重要なことをきいてみた。
「それで、裂けた魂って……戻るのよね?」
『……戻らない。神の魂を修復する術はない』
「え? じゃあやだ」
まあこうなるよね。けど更にズラララバライトはいってくるよ。
『それは無理だ。お前の中の力は増幅を続けてる。それも尋常ではない速度でだ。いずれはどうしようもなくなる。魂の階位を挙げないと、内から弾けるぞ』
なんか詰んでるんですけど? どうしてこうなった? 私は楽をしたかっただけなのに!!




