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「なんで? 二人ならやり方だってしってるでしょ?」
二人とも龍の中でも上から数えた方が早いんだから、そこら辺を知ってないわけはない。いや待てよ。あれかな? これも私の成長を促してるのとか、そんな感じ?
『いや、これは我らのせいだ』
『うむ、自分たちだから弊害がでる』
ズラララバライトもヴァラヴァレレイドもそんな事をいってくる。ええ? どういうこと? ズラララバライトとヴァラヴァレレイドがいれば徳しかない……と思ってたんだけど? だってこんな辺境の宇宙で古龍やら神龍改なんとかを仲間にしてる神なんていないだろう。だからもしも私がその気になれば、きっと無双できる。
「ちょっとあの宇宙邪魔だから滅ぼしてきて」
とか私が言えば、ぞれが高確率でできるだろう。本当なら神と神……竜と竜の戦いはかなり泥沼的な感じになるらしい。
だって実際、宇宙を広げるために戦うとなったら、近くの宇宙でぶつかり合う。いきなり端っこの神が中央の神に喧嘩を売る……なんてしてもメリットが……あるのかどうかはよくわかんない。だって宇宙は広い。中央の宇宙なんてアホみたいな広さである。
そこに行くまで何百光年とかかる。まあ私たち神はちゃんとした移動手段があるが……端っこと中央に自分の宇宙があっても、それは実際管理しづらいだけな気がする。だから近くの宇宙……近くの神……そして近くの竜に対して戦いを挑むことになる。そうなるとやっぱり端っこの神同士なら、そこまで力の差はないわけで……端っこまで追いやられた竜なんて竜の中でも下の方なのだ。まあだからこそ、下位の方の神は複数の竜と契約したりするらしい。
それか自分で強い竜を探して交渉するとか……そんなのがあったりなかったり。だからこそ、私はとても得してる。古龍と契約してる神なんて私以外にいるのかって事だし、さらにはヴァラヴァレレイドまで……周囲の神からしたら、私ってかなり反則なんだ。絶対に攻められることはない。
だってここにはズラララバライトとヴァラヴァレレイドがいる。周囲の竜なんて敵ではない。でもそんな二人……二竜がいることで弊害がある? 私は説明を求めた。
『我らとお前では力の差がありすぎる。魂の階位を上げるのは上にいる方が引っ張る必要がある』
「魂を? 引っ張っる?」
『うむ』
そんな……物理……ではないが、そんな単純な事なの? けどそれなら……
「ギリギリのところで止めてくれたらいいんじゃない?」
私はそういった。だって……ね。そのくらいできるでしょ?




