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「あれ?」
私はどのくらいねむってたのだろうか? 数時間は眠ってたかな? それとも数分? わかんないや。そもそもが神には睡眠なんて必要ないからね。神とは超膨大なエネルギー体だからね。私の場合は元はちゃんとした肉体……ではあった。けどエネルギーの量が膨大になっていくと、肉体そのものがエネルギーに染まっていく。それこそが神と他の生物の違い……みたいな? そんな感じらしい。
だからエネルギー体なら神……ちゃんと肉体があれば生物といえる。そうなると……
(あの羽持ち達は……)
私はそんな疑問を実は持ってた。だってあの羽持ち達……あの星でエデンを作ってそしてエネルギー体へとなって宇宙へと一足先に旅立ってた奴ら。実はあれから一度会ってるんだよね。でもどうやら彼らは神……には至ってないようだった。神というにはエネルギーが足りてないのだ。
だから不安定で……いうなれば彼らは魂だけを切り離す術を確立してた……という感じだった。魂は普通は肉体がないと安定しない。魂だけで漂い続ける……なんてよほどの執念というか怨念……そんな強い意志が必要。けど羽持ちたちはそういうことではなかった。
彼らは技術として、宇宙の仕組みをなんとなくは理解して、それを利用した感じだった。あいつらもやっぱり天才とかの集まりだったんだろう。アーミュラもたまには宇宙にそんな存在が出てくるといってた。きっと聖杯を作ったやつらもそんな天才だね。そこの宇宙の神がやる気がないやつだから、今や私くらいしか知ってないけどさ……実際聖杯をどうするのか……それはなかなかに宇宙全体にとってかなりの重要事項のような気がする。
そういえば羽持ち達の事、アーミュラは把握してた。面白いから宇宙に出た羽持ち達はアーミュラが保護してるみたいだ。そして尖兵として使ってる。魂という不安定な存在で、どこにも現れたり消えたり出来る羽持ち達はとても重宝するんだとかいってた。もしかしたらそのうち「神にしてやってもいい」とか言ってたけど……どうだろうね?
アーミュラはそれこそ親切そうな顔して、かなり狡猾って印象。てか狡猾でなかったら、こんな端っこの宇宙で一大勢力を築いたりしてないだろう。それだけの野心がアーミュラには多分ある。普段はそんな事まったく見せないけどね。私的にはゼーファスとかよりも、アーミュラが危険だと思ってる。
女の勘がそんなことを私に言ってくる。まあ今はアーミュラは私の味方だから、安心ではある。でも……それも何故かはいまいちよくわかんないからね。ただの親切? なんてのは思ってない。あいつはあいつでなにか思惑があるんだと思う。けどアーミュラだって宇宙が消滅するのは良しとはしないだろうし、中央をどうにかするのにはちゃんと協力的なのも本心だとは思う。
まあ私的にはアーミュラが宇宙を統一しようと別にどうでもいいんだけどね。
「終わったの?」
「ああ……この宇宙をお前の物にしたらどうだ?」
「それは……いや、ここはアクトパラスとゼンマイに譲るわ」
私はそういった。けどヴァラヴァレレイドはそれに対して不満らしい。まあまあ、私だって何も考えずにそんなことをいってるわけじゃないよ。




