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「大丈夫?」
『この程度、なんの問題もない。色々とこもっては居るようだがな』
どうやらあの団子の神が放った棘。それはただの棘ではないらしい。まあ実際ヴァラヴァレレイドの鱗を貫通するほどだし、ただの棘じゃないのはわかる。神が放ってるんだ。色々とえげつない効果があったとしても驚くことじゃないでしょう。けどそれでもヴァラヴァレレイドはケロッとしてる。流石である。
「これだから龍は……だけどここはこっちの領域だ!!」
すぐさま団子のような神は次の手にでる。次の手にでる間も、宇宙に紛れ込ませた棘をずっと私達に打ち込んでる。確かにここはあいつの宇宙……あいつの領域だ。だからこそ、やつはきっとなんでも出来る。こっちはそれを迎え撃たないといけない立場。けどまあ……ヴァラヴァレレイドなら大丈夫でしょう。
そんなことを思ってると、めっちゃでかい魔法陣がこの暗い宇宙に輝く。それは私達を含んだ上下に展開する。そしてその魔法陣の中で落雷が走る。雷の音が苦手な私は「ひゃわわ!?」とヴァラヴァレレイドの中で震えるよ。
かなりの広範囲の魔法。それにきっとこれもただの雷とかじゃないんだろう。それこそ星を吹っ飛ばせるくらいの力があるような……そんな魔法ではないだろうか? でもそんな雷に撃たれとしても、ヴァラヴァレレイドはその立ち姿を崩すことはない。腕を組んで不遜に立つその姿をね。
ヴァラヴァレレイドに直撃する雷……そしてそれに反応して刺さってた棘が爆発したりしてる。きっと二段構えの攻撃だったんだと思われる。けど……それでもヴァラヴァレレイドは動じることはない。
「こんな物か?」
そういったヴァラヴァレレイドは絶えず堕ちてる雷の一つを掴む。「はあ!?」である。どういう理屈? よくわかんない。けど確かに掴んだ。そして両手で掴んだ雷を振り回して、この魔法陣で発生してる現象をぐちゃぐちゃにしていく。
雷が雷を巻き込んで、おかしなことになっていく。雷をムチの様に振り回して、そしてそのまま神が展開してた魔法陣を砕ききった。再び暗闇が支配していく……けどあの団子の様な神もこっちを本気で潰しに来てるらしい。
暗闇から大きな何かが迫ってくる。それは惑星クラスのでっかい石だ。それが暗闇に紛れて迫ってきてた。こういうのって周囲に炎をまとってくる……とかじゃないの? とか一瞬思ったけど、宇宙には大気なんてないのである。
あんなのは演出の都合であった。そっちのほうがわかりやすいし、格好いいからああいう炎がCGで追加されてたのだ。宇宙で彗星とかが移動してても炎なんて発生してないからね。
だからこの大きさの惑星でも一緒だ。ただ静かに、けど確実に私達にむかってくる。私達の数十倍の大きさの岩の塊。けどそれをヴァラヴァレレイドは、口から放った光線であっけなく吹き飛ばす。
これは……もう私くつろいでてもいいかもしれない。




