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「なるほど……どこに行ってるのかと思ってたら、そんな事を……」
「一応声かけなかったっけ?」
「貴様はちょっと遠出するくらいしか言ってなかったぞ。それに……」
「それに?」
なんだかゼンマイの瞳が全部波打つようになった。その感情表現はなんなんだ? 私にはわかんないよ。だっておなじ宇宙を共有してるといっても、私たちは別に友達でも仲間でもないからね。まあ大きな括りなら私たちは仲間という分類に分けられるだろう。けど心的には私たちはきっと許しあってないもんね。私はもう気にしてないが、仲間という分類に心が入れることはない……ようなきがする。
だってアクトパラスもゼンマイもやっぱり私に心を開いてるって感じはしない。なにせ……だ。なにせ二人は同じ目的をどこか共有してる気がする。二人はきっと同じ先を見てる。それを私は感じる。けど二人は私には絶対にそれを共有することはないだろう。つまりはそういう事である。まるでクラスで班になるとき、三人組なのに、二人がめっちゃ仲良くて一人疎外感を感じてしまうような……そんな事である。
三人しかいないのに、二人でしか話さないって疎外感パないからね。私から話しかけにいったら事務的なことは言うけど、こいつら基本色々なことは二人でしか共有してないからね。いじめか? もしも私にズラララバライトがいなかったら、結構酷いことだったよね。
普通の龍はそれこそ勝手に宇宙の管理に割って入ってくるが、神とは交流とかしないらしいから、ズラララバライトではなかったら、私は本当に一人ぼっちなってただろう。そう考えると私はもっとズラララバライトに感謝した方がいいのかもしれない。
(まあけど、ズラララバライトも私のおかげで退屈しないって言ってるし、お互い様か)
つまりはそういう事だ。私たちは相互補完してるのだ。まあいうなればアクトパラスとゼンマイのペアと私とズラララバライトのペアだったというわけだ。けど今、ここにヴァラヴァレレイドも加わった。え? ドラクやウサギっ子? まあ一応ドラクはドラゴンと言い張ってる。それに今や聖杯を収めてそのエネルギーはかなりの物だ。けどどうやらアクトパラスもゼンマイもドラクを龍やら竜とは認めてないらしい。だから気にしてない。
ウサギっこはそれこそただの眷属みたいなもので、アクトパラスとゼンマイにとっては歯牙にもかけないような存在だ。でもヴァラヴァレレイドはさすがにそうはいかない。だから今まで2・2だったのが今や2・3である。もっと私を大事にしてたら、こんな構造ではなく、私たち全員でこの宇宙――5――となれた。
でもそれはきっともう遅い。
「それに、アーミュラは我らを歓迎なんてしてなかった。ついていくなんて言ってもきっと奴は認めなかっただろう」
どうやら私たちの戦力は4あったらしい。単純に倍だね。勝った。




