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「今はまだ……その気はない――と思っておこう」
そう言ってゼンマイの私を見てた目がだいたいそらされる。きっと神の力的なにかで圧力をかけてたようだけど、私の鉄壁の笑顔の前では戦闘に移行する……ということはできなかったらしい。
やっぱり笑顔は最強だね。ここに証明された。まあただの笑顔では駄目だけどね。私のような超絶美少女の笑顔だからこそ効果がある。世界平和……いや、宇宙平和は実現できるといってもいい。
「お前が龍を増やすのはそれでもいい。俺達は互いに干渉しない。そういう協定だ。だから貴様も我らには干渉するな」
「別にそんな気はないから安心していいよ」
私はアクトパラスやゼンマイが何をやろうがどうでもいい。まあ勝手に別の宇宙に戦い挑むとかはやめてほしいが……でもこいつらきっとそれをねらってる。ズラララバライトもそんな事をいってた。
やっぱりだけど正攻法で宇宙ひろげていくってのはそれなりに時間がかかる。神には時間の概念なんて関係ないとはいっても、宇宙広げるには神の成長と数多の星の成長が必要だ。そしていつかは近くの神の宇宙とぶつかる。そうなると……ね。やっぱりなにやら神とのいざこざってやつがでてくるんだろう。
なら……だ。ならさっさと近くの神をぶっ倒してその宇宙を取り込むほうが効率的じゃんって成るやつがいてもおかしくない。私は『神』となれたことで実際もう満足してるからね。
それに私の意識ってどっちかというと、外じゃなく内の方にむいてる。宇宙の外ではなく、宇宙の中のほうにね。私はチヤホヤされたいのだ。それが根底にある。だから侵略なんてのは思い浮かばなくて、沢山の生命を誕生させて、そいつらに私を崇めさせるのだ。
そっちの方が大切なんだよね。だから他の宇宙侵略なんて考えてもない。でも、どうやらアクトパラスやゼンマイは自分たちの宇宙ってだけじゃ全然満足してないらしい。
まあ向上心があるのはいいことだ。あっ、そうだ。思いついちゃったぞ。
「あ、それならゼーファスとかの集まりにはそっちが参加してよ」
「なんだそれは?」
まあこいつらはあの集まりには顔出してなかったからね。知らなくてもむりない。というか私達には声がかかるはずもなかったからね。私は特別枠だった。私達はまだまだ下位の神……しかも最下層の神だからね。
あの場にはふさわしくなかった。けど私は面倒だとおもってる。そもそも上位なんて……私の知り合いとして、アクトパラスとゼンマイを推しておくか。とりあえず私はゼーファス達の事を説明して、そしてその狙いとかを語っておいた。
勿論だけど中央にいるのが最古の龍とかは伏せておいたよ。




