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Σ24

 自分の顔が青ざめてるのがわかる。だって……そんな……せっかく皆で助かろうって……そんな事を話してたのに……こんなことって……そうおもってると、私に影が落ちた。その瞬間、私は咄嗟に横に飛んだ。次の瞬間、吹きすさぶ衝撃が伝わってくる。見てみると、さっきまで私が居た場所に、深々と鋼岩種の腕が突き刺さってる。

 

 後少しでも判断が遅れてたら、私も彼らの後を追うことになってただろう。いや、危機は去ってない。私の存在はバレた。一際デカイ奴が怒気を放ちながらこちらに向かってくる。アイツはヤバイ。そう私の頭が警鐘を鳴らしてる。私は自分の頬を打ち鳴らして気合を入れ直す。私は助けられなかった。私は所詮その程度の奴だ。英雄なんかじゃない。

 

 私はただの女の子で……ただの人種の一人。切り替えるしかない。ここで皆と同じように殺される? そんなのは誰も望んでない! 寧ろ皆の分まで生きる! こいつらを出し抜いて必ず帰るんだ! 私は走り出した。何処にって? それは勿論、私が侵した奴らが仲間同士でやりあってる場所にだ。それが祭壇……壇上を目指して私は走る。

 

 けど、こっちにもどんどんと鋼岩種が集まってきた。デカイから隙間はあるけど……かなりのマナを使った私は直ぐにスタミナ切れを起こした。


(こうなったら……)

「アトラス起動!」


 無理矢理にでも進む決断を私はした。赤いスーツが蠢き、肌の露出が多くなる。少し恥ずかしいのはいつもの事。どうせこいつらそんなの気にする訳もないから、私だって気にしない!

 アトラスで一気に私は加速する。そして操ってる奴らが居る所へ滑り込んだ。更にその道中でも撃ちまくって鋼岩種の動きを更に鈍くする。流石にこれ以上操れるかと言えばそれは無理そう。だって私の弾丸を受け止めようとはしなくなった。当たりそうな時には自身の周りに結界を張りやがる。それは急増の結界だから、私のマナは流されてしまう奴だ。意図せずにこの攻撃への対策を取られてしまった。

 

 けど撃ちまくればいくつかは当たるから、それで少しは動きや思考を阻害出来るはず。でも今はそれよりもこの壇上でどうやって向こうに帰るかだ。色々と崩壊しかかってるから、動くのかも分からないが、動かさないとこっちはジリ貧だ。さっきの様子から、操られてる奴らをもうこいつらは容赦しないだろう。そうなるといつまでも持たない。

 

 私はよく見るよ。壇上の下には大きな魔法陣がある。多分これを起動させれば……いや、見たところ既に起動はしてる。元いた場所とここを繋いでるんだから常時起動しっぱなしなのも頷ける。けど、それだけだ。私はまだここに居る。どうにしかして発動させないといけないみたい。私は壇上に銃弾を打ち込む。流れ込む私のマナ。

 けどそれはたまる事無く途中で消え去った。どうやら浄化装置みたいなのもついてるみたい。壊すつもりはないからそれはいいんだけど……この陣がむこうともつながってるのなら……お願いプロト・ゼロ!

 

 その時、後方で激しい音が響いた。壇上にまで降り注ぐ瓦礫。それは地面に落ちると消えていく。私は頭を抑えてうずくまり、それが何かを理解した。後ろを向くと、そこには五メートル級の鋼岩種。奴がこちらに手を伸ばしてくる。

 

『マスターを感じます。これは……これは……』


 そんな声とともに現れたのはプロト・ゼロだ。どうやら私のマナを頼りにゼロ自体が結界を超えたみたい。そんなゼロは鋼岩種の腕を掴み私を守ってる。すると後ろのハッチが開いた。私はそこに急いで乗り込んだ。

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