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歌に何の意味があるのか? そんな事をラジエルは思ってるかもしれない。けど歌は単純にテンションを上げるし、プリムローズの歌はただの歌ではすでに無い。今持ち出してるマイクだって普通のものじゃないしね。そもそもが古代から歌とは儀式的なことだっただろう。まあ他の種族でもそうだったのかはわかんないが……歌に特別な意味を込めたのは元々は羽持ちたちだっだ。それを継続してきた人種。実際ただのテンション高める手段ではない。
『私達も居るわよ!!』『先輩たちにだけ良い格好させません!!』『ここに集まる事によって、露出が増えて私達も認知される……にしし!』
なんか色々なグループ達も居るらしい。かなり派手なライブにエデンはなってるようだ。それによって、盛り上がりもかなりあるだろう。それに……だ。この映像はきっと私達の支配地域全部に同時中継されてるはずだ。それによって盛り上がり、私への力へとなる。たった一人で戦うラジエルと沢山の人達と戦う私。
確かにこの世界は個人が集団よりも強いなんて事は普通にある。そもそもが強い種は数が少ないからね。一騎当千を普通に示してる。だから実際、ラジエルはいくら雑兵が居ようと……とか思ってるだろう。
(誰もがこの世界、自分自身を強くしようとするよね。でも……強さの先にあるのは孤独なんだよね)
私は頑張りながらそんなコトを思う。それに実際ラジエルは全ての仲間をその身に宿してるらしい。そうやって、更に上の存在へと至ってる。実際本当に好きな者と一心同体……それこそ本当の意味でそこまでなるなら、満たされるのかもしれない。
でも、戦いの後にはどうなるんだろうか? もしも全てが終わっても、その星に自分だけが居るって……
「あっそっか……」
ここで私は気づいたよ。なんで頂点になった種に新たな星が与えられるのか。そもそもがこの戦いの果てには残るのは勝ち残った種だけなんだろう。だからそうなった種には星を与えて外に出す。
そして再びこの星は始まっていくっていうね。まあ実際滅び尽くされるわけはないから、この星もまっさらになって始まるわけじゃないみたいだけど。前の頂点にのとか、三種もいたわけだしね。
でもきっと強い奴らは孤独になるのはそうなんだと思う。
(ラジエルはきっとここで全部を出し切る気だよね。そしてその先なんて……)
きっと考えてない。いや勿論仲間たちとその話はしてるだろう。でもきっと誰かが生き残って、そしてきっと誰か一人でも残ればいい……みたいなそんな感じなんだろう。
でもそれって勝利の意味があるのか? 私は私が勝ったとしても、そこに誰もいないなんて嫌だ。そんなのは勝ってない。一人で勝利の実感なんてわかないだろう。
だから私は……
「皆で勝つ」
私はそう呟いた。




