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(絶体絶命か……)
俺の周囲は全てを敵に囲まれた。逃げ場なんて無い。右を見ても……左を見ても……そして上・下を見ても、全てのところに人種のアンティカにそれに追随してる飛行ユニットに乗ってる軍人がいて、更に更にその間を埋めるように、強力な多種族達がいる。
俺の仲間たちは……皆、殺されたか、拘束されたか……オウラムに残ってる者達は非戦闘員だけ。確かにこれには人種の王も降伏勧告をしてくるのも頷ける。だが……それがまた人種だ。
普通なら滅ぶまで手を緩める事なんかない。まあ実際、人種は弱すぎてその歴史の中でどの種族からも逃げてきたし、許しを請うてきたし、そしてどうにか引き分けに持っていく……しか出来なかったんだろう。
だからこそ、こうやってすぐに交渉に走ろうとする。
「弱いな」
『何?』
俺のつぶやきに人種の王は訝しげにそういった。せっかく降伏の機会を上げてるというのに……という気持ちなのかもしれない。それがどれだけの侮辱だとおもってるのだろうか? それにそれが人種なんていうこの星最弱の種からもたらされた糸なんて……全ての種にとって屈辱でしか無いだろう。
「お前たちはそうやって言葉に頼るから、弱いんだ!!」
次の瞬間、周囲を囲んでた奴らが吹き飛んでいく。それは狙い通り。だが……あの人種の王を狙った攻撃は防がれた。いや、奴らによって……ではない。それは巨大なラーゼ……愛聖女とか呼ばれてるやつの内部にいる奴らには俺の攻撃が通らなかった。
やはりあの力は別なんだろう。これまでの力じゃない。だからこそ、通りが悪い。だが……今の俺ならやれる。
「攻撃開始!!」
そんな声が響く。それによって俺に向かって、遠距離攻撃が一斉に開始される。そんな物……今の俺に効くとおもってるのか!? 進化の果てに達して、そして俺の中には沢山の仲間たちが集ってる。
いくつかの銃弾はそれこそ俺の肌に弾かれて行く。でも、いくつかは俺の肌をえぐり肉にとどく。
「くっ」
ただの弾じゃない。当然か……なにせ俺を殺すためにやってるんだ。生半可なものを使っても意味なんてないと向こうだってわかってる。だから何か特別な弾に変えてるんだろう。
体中から血が流れ出る。でもそれでも……それさえも、俺にとっては傷ではない。
「誰も、やられてなんて無い。全ては俺の中にある!!」
俺の身体が燃えだす。そして実体をなくし、炎となった俺は周囲の敵を焼きだした。




