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β31

「ええっと? ティアラ様?」

「好きなんです! 同性とかそんなの関係なく、私はキララ様が好きです!!」


 なになになに? なにが起きてるの!? これも魔王の、サーテラス様の策略か? 凄い事をしてくれるよ! 学園一の美少女を使ってこんな事するなんて……私誰かに刺されるんじゃない? てかティアラ様とってもやらかい。しかも間近だからとっても良い匂いが鼻孔を擽る。ヤバイ、この匂いを嗅いでると頭がくらくらしちゃうよ。

 

 美少女の匂いってとっても危ない薬みたいなものだよね。かいでると思考回らなくなるもん。そして更に目の前の彼女が可愛く見えてくるし……幻覚作用もあるよね。

 

「私は本気です……キララ様」


 そう言って少し背の高いティアラ様はその瞳を閉じた。えっと……これはまさか? 近づいてくる顔。不味いですよそれは! いや、充分今も不味いけど、流石に公衆の面前でキスは不味い。公爵令嬢がそんな事したら大スクープだよ。

 

(けど、ああもう可愛いな!)


 美少女が憎たらしい。名残惜しい気もしちゃうんだもん。私にはそっちの気はないよ。本当に。だって私が好きなのはカタヤさんだし。けどね……美少女というのは、そういう自身の中の常識といか、縛りというか……そういうのを簡単に破壊してくれる。その可愛さ、美しさで、他人を虜にしちゃうんだ。もう罪だよね。ティアラ様の唇は程良く膨らんでて、そしてとてもツヤツヤのプルプルだ。さぞかし美味しんだろうなって思える唇してる。

 

 同じ女でも一度は重ね合わせたいと思っても仕方ない唇だよ。

 

「おい、皆見てるぞ」


 そんなペルの言葉で私は我にかえる。危ない危ない、美少女の魔力に乗っ取られてたよ。

 

「と、とりあえずこちらへ!」


 私はなんとかティアラ様の唇を回避して、彼女の手を取ってその場から退散した。追ってくる人はいない。流石にそこまで野暮なことはしないようだ。助かった。

 



「で、なんで……ティアラ様と一緒なの? しかも手まで繋いでるし」

「それはねアナハ――」

「どうして他の方が? どういうことですか……キララ様?」

「――えっとですね、ティアラ様……泣かないでください」


 何この修羅場? なんで私が責められてるの? もうわけわからないよ。私はティアラ様を連れてアナハと約束してた焼却場に来た。けど、そこに二人で来たらアナハにそう言われて、そしてティアラ様は二人きりじゃなかったから、泣き出す始末。私か……私が悪いのか? とりあえず話が通じそうなアナハにとくとくと事情を説明した。

 

「なるほど……前々から噂はありましたねティアラ様。本物だったとは……知ってましたけど」

「貴女はキララ様の何なのですか? 私よりもキララ様のこと愛してるのですか?」


 ちょっとティアラ様暴走しすぎだよ。めっちゃアナハに敵対心燃やしてるし。それにさっきから私を抱きしめてるからお胸がね……細身にみえてもしっかりとあるお胸が私に当たってとてもいい気持ち――じゃなくて、鬱陶しい。

 

「愛してなんて……居るわけないじゃないですか。私達はただの……ただの……クラスメイト?」

「友達だよね!?」


 そこはっきりさせとこうよ! 私が傷つくから。傷ついちゃうから! 

 

「お友達ですか。それでは私達の事をとやかく言わないでくれませんか? 私達は愛し合ってるんです」


 えっと……なんかティアラ様の中ではいつの間にか私達両思いになっちゃってないかな? なにその妄想……怖いんですけど。ティアラ様は私の中では良い先輩で良いお姉ちゃんみたいな存在だと思ってたのに……何かが崩れ去ってくよ。

 

「ちょ、ちょっとアナハと二人で話してもいいですか?」

「寂しいです。離れたくない……」


 頬を染めて視線を外しつつそう言うティアラ様はくっそ可愛い。もうホント、汚い言葉でしか表せないくらいに可愛い。けど、ここは心を鬼にしよう。

 

「す、すぐに済みますから」

「では、済んだら……返事……聞かせてくださいますか?」

「…………そ、そうだね」


 どどどどどどどとどどうしよう!? やっぱり返事はちゃんともらいたいみたいだ。何か……何か解決策をお願いしますアナハ! 私達はティアラ様から少し距離をとって話し出す。

 

「どういうこと? どうしたらいいの? どうしてこうなった!?」


 私は魂の言葉をアナハに伝えてた。

今日はこれまでです。次回は明日にあげますね。今日の絵はにゃんにゃんラーゼです。pixivにあげてます。

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