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β16

 人が変わったサーテラス様の人気は日に日に大きく成ってくようだった。生徒会に入ったが為に、高嶺の花と化した私への人気がそのままサーテラス様へと移ったような……ぐぬぬ。サーテラス様が登校してきて、更に一週間が過ぎてた。流石に最初は皆警戒してた。特に同じ一学年の皆は前の彼女を知ってるからね。けど、それもここまでボロを出さないのであれば、本物なんだろうと皆が新生サーテラス様を受け入れてる。

 もう以前の悪感情を持ってる人は居ないかも? 一概には言えないけど、皆がサーテラス様に好意的だ。男子なんて私に向けてただらしない顔をサーテラス様に向けてるしね。

 

「キララ様、今日こそお食事いかがですか?」

「えーと……」

「すみません、キララ様は今や生徒会メンバーですものね。沢山お約束もあるでしょう。けど今度こそお願いします」


 こうやってなんだか私の事をよく誘ってくる。別にいい人に成ったのはとてもいいと思う。けど、それなら私なんて放って置いてくれて良いんだけどね。一番被害被ってた私は複雑なんだよ。なんだかよく分からない胸のモヤモヤが募るからあんまりサーテラス様には関わりたくない。けど最近はなんだか、私がサーテラス様の誘いを断ると私が悪いみたいな感じに成ってる気がする。

 

「元気出してくださいませサーテ様」

「サーテ様には私達がいますわ」


 そんな風に取り巻き二人が言うと、クラスのあちこちから「僕達も」「私達も」という声が聴こえる始末。そうなるともう私の居場所なんてない。私は一緒に行く約束してたアミーさんの所へとそそくさと行った。そして二人して教室を出てく。学園の中を歩きながら私達は話す。

 

「凄いですねサーテ様は」

「ええ、ん? あれ、アミーさんはいつの間にサーテラス様の事を愛称で?」


 前はそんなことは無かったはず。確かにアミーさんはお友達多くいらっしゃるけど、それでも愛称で呼ぶ人なんてそうそう居なかったはず。そもそもサーテラス様に限っては絶対に愛称なんてことは無かった。

 

「気軽に愛称でよんでね――と言われまして。本人がそう言ってくれるのなら、それを尊重しようかと。それに色々と話す機会もありましてね。本当にあの方は変わられました」


 そう言って遠くを見るような瞳をするアミーさん。そんな顔を見てるとなんだか言い知れない不安に襲われた。私じゃなく、皆が彼女の方に流れてく。そんな恐怖が心にうずく。だから私はこんな事を言った。

 

「私達、友達ですよね?」

「勿論です。かけがえのない友達ですよ」


 アミーさんのその言葉にホッとする私。そもそもがそんな確認なんてのが間違ってると気付かずに……だ。

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