H334
「この子達は強いよ」
そんな私の脅しに対して、悪を打倒する気でいるラジエルは勇者のごとく私に王の剣を向けてこう言うよ。
「それでも俺たちは諦めない! この世界をお前にやりはしない!!」
「私じゃなくて、あんた達が世界をとっても同じでしょ。自分たちだけが正義なんて面しないでよ」
「ほざけ!!」
カタヤの周りにもオウラムに集まった奴らが数人集まってる。けどこっちはヌーデケィドヌーデレリアそれと純粋なロイヤルガードを合わせて三十六だよ? しかもこっちだって純粋な人種なんていない。力の差……というか種の格差なんてのはないよ。
それでもまだやるって? まあけど……
「奴が持ってる剣には注意しなさい」
私は皆にそう忠告しておく。王の剣の特殊な能力で体の強さが意味をなさないからね。ヌーデレリアもヌーデケィドもその頑強さには自信がある。でも……ね。そこら辺の常識をぶち壊してるからねあの剣。
(もしかしてあの剣、法則自体を断ち切ってるんじゃ?)
私は世界の法則を一度書き換えてる。それは『美少女は世界の宝だから死なない』って法則だ。そしてその基準の美少女を判断するのは私である。つまりは私はどんな攻撃でも死なない……はず。私自身は実際対象になるか怪しい法則だけど、自分を殺せる奴なんてそうそういないだろうから大丈夫だと思ってたわけだけど……
あの王の剣がその法則さえもぶち切ってると考えと、私を殺せるような法則にある意味で書き換えてるような? いやいや、流石にチート過ぎるか。
きっとあれは、あの剣は世界の法則に縛られないんだろう。となると、どんな防壁でもあれに対抗するのは難しい。やっぱり当たらないのが一番だね。
「でも気になるのは、あれってラジエルだけが使えるんだろうか?)
もしも……もしもだよ? あの王の剣をラジエルから奪えて使えるとしたら……私最強じゃん。
(あれ? でもよく考えたら、そんな凄い剣なら、私たちの相手するよりも、クリスタルウッドをたたき切った方が良いのでは?)
よく考えたらそうだよね? 今は私がクリスタルウッドとラジエル達の間に障壁的な物を張ったから、こっちの相手をしてるって思ったが、あの王の剣が世界の法則さえも断ち切ってるとしたら、障壁なんて紙みたいな物だ。でもラジエルはそれをしなくて、私たちの相手をしようとしてる。
(どういうこと?)
なんか訳わかんなくなってきた。流石にそれほどのチート能力はないって事だろうか? こうなったらこの戦いで、あの王の剣の力を見極めるほかない。私としてはさっさと安全圏に逃げて観戦モードに入りたいんだけど。
だって私は偉いのだ。汗流しながら戦闘をするような地位にはいないんだよ。




