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H305

「どうしても駄目か? このことは責任者に言うからな!」


 そういってプリン伯爵はいったんはその係員の人の場から去る。距離を開けて、彼はある集団の場所へといった。多分このタワーに入ってる店の従業員たちがいる一角だろう。同じような制服に調理服の面々がいる。


 私はそそそ――と知らぬ顔でその集団の後方にでも近づいてみた。今はここは下に降りれない人たちでいっぱいだからね。近づくなど容易である。

 まあそれでも普段の私なら、目立ちまくるからこんなこそこそと出来る訳はない。なにせ私はただ立ってるだけで皆が拝みたくなるような神々しさをまとった美少女だ。

 でも今は認識疎外のサングラスのおかげで、ちょっと奇麗でミステリアスな少女くらいにはなってるからね。大丈夫だろう。


「代表……やはりこれは……」

「くっ、こうなっては仕方ないの……皆の頑張りが無になってしまって申し訳ないが」

「そんな! 代表のせいではありません!」

「そうです! これは仕方ない事です。後で運営に事情を説明しましょう!」


 何やら代表とか言われてるのがプリン伯爵みたいだね。この集団の中央には何やら四角い箱がある。キャスター付きの台に乗せられた箱は魔道具によって何やら術がかけられてる。


(一体何が入ってるのやら……運営とか言ってて、プリン伯爵がプリン銘菓だとしたら……何か市中でお菓子の大会でもやってるとか?)


 あれはその大会にでも出すための新作プリンなのかもしれない。そう思うとなんか喉がなった。


――ゴクリ――


(食べたい)


 だって新作だよ? 女の子ならそんなの食べたいと思わないわけないじゃん。寧ろあれを食べたくないと行ったら女の子じゃないね。そこまでかと思われるしれないが、女の子というのは甘いお菓子でできてると言っても過言ではないのだ。

 とくに私のような絶世の美少女はそうなのだ。それにしてもあのプリン伯爵……従業員たちにすごく好かれてるみたいだ。


(ごめんね。最初殺そうとか思って)


 あれだけ従業員に好かれてるなら、良い奴なんだと思う。なんとかしてあげたいが、事実このタワーは攻められてるからね。安全面を考えても彼等だけ逃がすなんてことは無理に近い。

 今すぐにでも軍が下の敵を殲滅して……としても……ね。すぐに大丈夫だなんて判断されないだろう。てかその大会か品評会か知らないが、町全体で非常事態の中やってるとも追わないけど……

 でもそうなるとあの箱の中の物も無駄になるわけだ。とてももったいない事だ。さてどうやってあのお菓子をいただくか……私は考え出した。

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