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H292

「なぜだ!」

「わからん!!」


 俺たちはアナハイムの街を駆けている。けど俺たちにの体にはたくさんの赤い点が追従してきてた。


「くっそ! 散れ!!」


 俺たちは赤い点から逃れるように散り散りになる。その瞬間、赤い点があった場所が穿った。赤い点が示した場所に何やら攻撃が来てるんだ。だが……それがみえない。ただ早いのなら、見逃すはずがない。


 なにせ自分も強くなった。王の剣に選ばれ、そして獣人へと施されてた呪いを打ち破り、進化も果たしてる。それによって自分は獣人の次のステージにへと昇って事実上、上位種と引けを取らない力を有してる。


 実際、もともと頑丈だった獣人の体だ。当たっても案外大丈夫かもしれないが……だが、当たったという事実がまずい気がしてる。当たったら、本当に俺たちの存在がばれる。いや、追いすがられてるから、ばれてるようなものなのかもしれないが……それでも今攻めてるのがオウラムだとは俺たちが見えない限りわからないはず。


(どれだけ見えてるかわからないんだが……)


 実ははっきりと見えてる……ならこんな気遣いは無用だろう。はっきり言って、そこまでいったらもう振り切ってそこらの人種を人質にでも世界樹を目指すし、周囲の建物とかもめっちゃ壊しまくって、このアナハイムを混乱の坩堝に陥れるほうが得策だ。

 でもどうなんだろうか? そこまで危険視してないようにも見えるんだよな。本当にオウラムがせめてきた――と思ってるのなら、もっと大体的に動きそうなものだ。自分は壁面にへばりつきながら、街を見る。


 普通に一般人が歩いてる。あの赤い点の攻撃は本当に赤い点部分にしか影響がないし、しかも音もない。だから一般人は喧噪で気づいてない。


 もしもオウラムが攻めてきてるとわかってるのなら、流石に人々を非難くらいさせそうだが……


(わからないな。そう思うわせてるのかもしれないし、考えるだけ無駄が)


 結局のところ、自分達には人種の情報はないのだ。想像しすぎても、思考の渦にのまれるだけだ。なら目的を果たすことだけを考えるほうがいい。


「ちっ」


 壁に張り付いてたら、赤い点が全身にびっしりと投射された。俺はすぐにその場から離れる。

 一般人は何も気にしてない――だからアイテムの効果はちゃんと発動してる筈だ。街の警ら隊にもばれてはない。だが……家電屋で出てきたあの異様なスーツの部隊は自分達を把握はしてるらしい。部隊を展開してる。


「奴等だけでも蹴散らすか?」


 仲間の一人のその発言。その選択肢はある。情報がどこまで言ってるのかわからないが、奴らを蹴散らせば、大分動きやすくなるだろう。だが、たぶんだが、それをやっても第二・第三のあいつらがくるだけだ。それだけ人種は多い。

 だからそんなのの相手をしても意味はない。


「この程度の攻撃は脅威にならん。無視して世界樹を目指すぞ」


 俺はそう判断した。

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