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H269

「ラーゼ様、好き」

「「「ちょっとおおおおおお!!」」」


 私たちここまで立ってる子達は流石に彼女のその行いに詰め寄った。白銀の髪に毛先に青が混じったその子は気持ちよさそうにラーゼ様のおおおおおお、お胸に顔を埋めて「ふよふよ〜」とか言ってる。

 ななななななななななんて羨ま−−いやけしからんことをやってるのよ。そうは思うけど……私たちは一様に「ゴクリ」と喉を鳴らしてしまった。このアイドルスクールには女の子かしかいない。だから今更胸なんかに反応なんてしない−−はずだけど、やっぱり私たちのような下賤なお胸とは違うということだろう。

 なにせあのラーゼ様のおっぱいだ。はっきり言って、触ってみたいっていう欲求はある。でも触れたら儚く消えそうな見た目だからね。尊すぎて恐れ多いんだけど……


「全く、甘えん坊がいるみたいね」


 そういってラーゼ様は怒るどころか、頭をなでなでまでしてる。なななななななんて羨ましい! そんな様子を私たちはきっと、よほど物欲しそうにみてたんだろう。


「このことは内緒だからね?」


 そう言って私たちも招いてくれる。それに誘われるように一歩を踏む……けど、そこで私たちは足が止まった。なぜなら、私たち−−


(汗臭いんじゃない?)


 −−という懸念が湧いてきたからだ。だって私たちはさっきまでレッスンを行っていた。しかも激しめの。汗だくでさっきまで踊ってたんだ。女の子はいい匂いしかしないなんてのは幻想で、女の子だって臭くなる。


 つまり私たちは今、臭い可能性が高い。そんな状態で世界で一番の美少女に抱きつくの? ラーゼ様は許してくれるかもしれない。だって優しいもん。でも……それを私たちが許せるかというと……難しい。だって臭いんだよ? ラーゼ様に臭いなんて思われたくない。


「どうしたの?」


 そう言って小首を傾げるラーゼ様。かわいい。その姿が可愛すぎる。本当に私たちとは作りが全く違う。私たちも人種の中ではかわいい方だと思うけど、でもやっぱりラーゼ様は次元が違う。


 もう全てが完璧だ。顔の作り、配置、サイズ、そして体に至るまで、全てが至宝と言わざる得ない。指先まで美しいもん。レッスンとかしてるんだよね? 流石に足の指とかには豆とかあるんだろうか? 


「えっと……その私たち……レッスンしてて……だから−−」


 私はしどろもどろになりながらなんとか口を動かす。するとラーゼ様は察してくれた。


「ああ、そういう。大丈夫だよ。プリムローズの皆だってレッスンの後はちょっとは汗臭いし。でもそういうのも大好物だからね」

(ん?)


 いやいや、なんかちょっとだけ引っかかったけど、ラーゼ様の優しげな言葉に私たちは引っ張られてその腕に抱かれた。


(めっちゃいい匂いする!!)

 

 期待を裏切らない人だと思った。香水なのかな? でもめっちゃ自然な匂いで鼻につく感じは一切ないから、もしかしたらラーゼ様が放つ自然な匂いなのかも。ラーぜ様関連の香水は多いけど、やっぱりラーゼ様本人から嗅ぐのが一番だと思った。

 心が安らぐ。ずっとこうしていたいと思えるような癒し。私たちはラーゼ様の愛に包まれてると感じた。

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