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H260

「んー!」


 朝日とともに、住みついてる奇麗な色をした小鳥が私を眠りから覚ます。私を目覚めさせたい王子様役を志願してる奴らはたくさんいるが……別に普段からそんなことをして目覚めさせてもらう必要はないから断ってる。

 そういう行為をして眠った後は別にいいけど……普段はこういう普通でいい。私は大体目覚める時間がランダムである。だからこそ、私のお世話は簡単ではない。

 けど、不思議と皆、私が目覚める時間には準備を手早くすましてくれてる。まずは私が目覚めたことを確認すると、静かに部屋へと入ってきて、おいしいお茶をくれる。

 まあ簡単に入れるわけはない私の部屋にはいれるのは、一緒に寝てるぬいぐるみ達がドアのロックを外すからだ。そういえば、この子たちが私の睡眠状況計測してるんだった。

 だから私が起きたかどうかわかって、お迎えがくるんだね。お茶を飲んだら、目を覚ますためのお風呂につれていかれる。そこでシャワーを簡単に浴びて、身も心もシャキッとして、用意されてる洋服を着るのだ。

 もちろん、私が自分で着るわけない。すべて私はお世話されてるからね。私はただじっとしてるだけで、準備は進むのだ。そうして朝食へと向かうことになる。朝食の場所の候補はいくつかある。気持ちいいテラスとか、無駄に広いリビングとかね。リビング的な部屋もいくつかあって、テンションによって、使い分けられるようにテーマが違う部屋が用意されてる。まあ無駄でしかないんだが、無駄こそ、贅沢だからね。無駄なことに金をかけられる事こそが、王者の証なのだ。


 しかも朝食だって朝からいろいろと用意されている。前の世界でいう所のパンかご飯か……とか。それとも国によって違う食か……とかね。

 まあこの世界では国は一つしかない。人種としての国はね。それに弱小だったから、生きることに必死で、そこまで食が発展なんてはしてなかった。はっきり言えば、まずい飯が常習化してたのだ。


 今のこの場所にはいろいろな種族がいる。だからいろんな食があるんだけど、その中でも、ちゃんと食に気を使ってた種ってあんまりいなんだよね。なにせ他の種って最悪、マナがあれば生きていられるような奴らばっかりだし。マナとの親和性が高いと、そういう事になってしまうのだ。

 人種はある意味、マナとの親和性が一番低いからこそ、マナだけでは生きていけないので食事も必要っていうね。あとはまあ獣人は案外グルメではあった。

 文化を形成してただけはある。あとはもうダメダメだったから、私がこの世界に食の楽しみってやつを伝来させたといっても過言ではない。ハンバーガーとかフライドポテトとかのジャンクな奴らから、パン食やごはん食、そしてパスタに至るまでだ。


 食事が豊かになれば、幸福度も上がるのか、なんかみんな生き生きしだしたのはある。それに食事ってやつが人種以外でも広がったし。

 別にマナだけでいい種は多いが、上手い物はどの種でもうまいと思えるらしい。


「ラーゼ様、今日のメニューは――」


 そういって私付き筆頭メイドが今日の朝食の候補を羅列していく。私はとりあえずプリムローズの皆と今日は食べたいなって事で、彼女たちを呼んで、皆が好きなの一通りそろえて朝食に出すように命令する。


 いきなり追加の料理が必要になるだろうけど、私は気にしない。だって私は権力者だからね。そして当然彼女だって「かしこまりました」と頭を下げるのだ。


 うむうむ、権力者ってサイコーだね。

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