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H256

「やっぱり来たか」


 空中にあるアルス・パレスの中で自分はそんなことをつぶやいた。


「やはりあれは、ラーゼの宣戦布告……という事でしょうか?」

「流石にそこまでの意味はないと思うよティル。ただ単に、このアルス・パレスを壊したかっただけだろう。厄介だからねこれ。それを一番彼女は知ってる。なにせ彼女こそがエデンの王なのだから」

「気に入らないですね」


 そういって黒を基調にしたメイド服に身を包んだティルはいう。ここはアルス・パレスの中でも一番の奥側にあり、そしていくつもの情報があつまりいわば指令室だ。

 もともとがアルス・パレスはエデンにある三つのパレスの内の研究と生産を担当する場所だ。指令というか頭脳はエデンの中央のゴッド・パレスが本来の場所。

 けど、俺たちにはこれしかない。ならいろいろと改良を加えるしかない。本来なら、『クルルーダ』という巨大な魔物が自分たちオウラムの船だったわけだ。

 それはとても大きく、ゆっくりと空を移動する。もちろんクルルーダの中に何かを作るなんてことはできなく、彼らの飛行の邪魔にならないように外装をつけて船へとしてた。けどそれも限界がある。結構狭かったからな。

 でもアルス・パレスなら今のオウラムの住人を全員乗せてもおつりがくる程度には広い。もちろんそれをやってしまうと、生産能力はがた落ちだ。

 だがもともとがアルス・パレスは大きな兵器を作る場所。俺たちはそんなものを必要とはしてない。それこそアンティカみたいなのだ。でも俺たちはこの身でアンティカと渡り合えるからな。

 だから質のいい武器とかさえ作れればいいわげで、それなら今の生産設備を縮小したとしても問題はなかった。


「先遣隊は全てつぶすんだ。一人たりとも逃がすな。夜に強い種を前面に、幻惑系の魔法が使える種をサポートに回せ」


 俺は状況をモニターしながらそういう。アルス・パレスは便利な機能がいろいろとあって助かる。まあけど、自分達か使ってるのはたぶんラーゼ達か使ってるものとは違うだろう。

 向こうはもっと機械機械した感じにオートメーションを進めてると思われる。けどこちらは魔法を主軸に機械はその効率を上げる回路のように感じになってる。なにせこっちは節約をしていかなきゃいけない。確かに源泉はある。でも結局はその大本は世界樹だ。

 ラーゼからの何らかの干渉があって全てを奴に掌握されたら最悪だからな。だからこそ、自分たちでやりくりできる範囲で動くようにいろいろと改良して、さらにラーゼの影響を受けないような、そんな術式を組んでる。


 奴らもまだこちらにアルス・パレスが健在だとは気づいてないだろう。さすがに夜明けには気づかれるだろうが……その間にこっちも動こう。


「ラーゼ、こちらは一歩も引かない。どっちがこの世界を獲るか……決めようじゃないか」


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