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H247

「それでラーゼ様、オウラムの現状を教えてもらっていいですか? 貴女が私たちを集めたということは、変化が起きた……ということでしょう?」


 アンサンブルバルン様がそのように真剣な声音でいう。その空気に充てられてか、皆がラーゼを見て弛緩してたその空気が一気に張り詰めた。

 まあけど、ラーゼだけは変わらない。柔らかな微笑みをたたえて椅子に座って太ももの上のぬいぐるみを優しくなでてる。


(くっ、なるべくラーゼの方は見ないほうにしたほうがいいんだが……)


 ここは真剣な場だ。それこそ、これからのこの国、いや大きく人種全体の未来を決める場だといってもいいだろう。それだけの重要人物が集められてる。魔族がいないが……ミリアには声をかけてない? いや、自分がここにいれば、ミリアはたぶんそれを察するだろう。それを想定してないラーゼじゃないはずだ。

 ならそれを前提に、ミリアがここに来るまでのタイムラグを考慮ししてる? 

 わからないが、この超真剣な場でも、ラーゼを視界に収めてしまうと一気にその緊張が解けるというか、ボーっとしてしまうんだ。だから皆、なるべくアンサンブルバルン様を見てるんだろう。しかも今日のラーゼはいつもよりも刺激が強い。


 服もそうだが、やっぱり風呂上りなのがいけないと思う。風呂上りの女性は普段よりも魅力的に男には見えるものだ。それがもとから魅力的なラーゼならなおのこと。


「ええ、まずは言っておくけど、先遣隊は失敗したみたいね。アルス・パレスは健在で、第二案だったアクトパラスとゼンマイも退けられた……かもしれない」

「「「なっ!!?」」」


 ここに集まった面々の顔色が変わる。自分もそれは驚いた。まあアルス・パレスの破壊は失敗することもあるだろう。もとから難しい任務だった。彼らには悪いことをした。けど問題は第二案の方だ。


 まさかアクトパラスとゼンマイ……それは今この世界で一番広範囲を支配してる種だ。つまりは一番強い。たくさんの主を滅ぼしてきた最強種といっていい。

 それに対して、オウラムはそんなアクトパラスとゼンマイに追われた種族のよせ集まりといっていい。確かに数は多いだろうが……最強に有象無象が当たっても意味はない。まあそれは自分たちにも言えるが……でもだからこそこちらはたくさん準備してる。


 オウラムもそうだったのか? でもアクトパラスとゼンマイの襲撃は、奴らには突如だったはず。


「それは本当なのですか? かもしれないというのはどういうことでしょうかラーゼ様?」


 グルダフさんが気になったところを質問してくれる。


「そうですね。実際、アクトパラスとゼンマイはやられてはないはずです。どうやらアクトパラスとゼンマイは源泉と呼ばれるマナがより多く放出される場所を抑えてるみたいです。

 そしてそこから自身のマナを放出してる。どうやらやつらは新たな世界樹を作ろうとしてるみたいですね」


「「「ええ!?」」」


 自分たちまたびっくりだ。なんか大きな情報が次々ともたらされる。このペースでいろいろとなんか出てくるのか? それって……なんか諜報機関とか形無しじゃないか? なんでこんなに仕事してるんだ? 今日のラーゼはなんかおかしくないか? そう思った。

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